mail
相続についてはこちら
   

ブログBlog


Warning: Undefined property: WP_Error::$cat_ID in /home/officeoosawa/officeoosawa.jp/public_html/wp-content/themes/wp_oosawa/archive.php on line 44
2025.10.02

『虹色のチョーク 働く幸せを実現した町工場の奇跡』

小松成美(著)

幻冬舎文庫 (2020/4/8)  649円

 

【感想】

小松氏は毎日広告社へ入社後、放送局勤務を経て作家に転身。人物ルポルタージュ、スポーツノンフィクション等の執筆を行っています。本書は、日本で“日本でいちばん大切にしたい会社”と呼ばれる日本理化学工業に取材を重ねて執筆された作品です。坂本光司先生の著書がきっかけで有名になった会社で、従業員の約7割が知的障がい者です。

本書の特徴は、理念を語るだけでなく、現場での工夫を具体的に示している点です。作業工程を分解し、道具を調整し、評価やフィードバックを仕組み化する。こうした改善によって、障がいのある社員でも安定して品質を保てる生産体制を築き上げています。さらに市場環境の変化に合わせて、新商品「キットパス」などを開発し、理念と事業の両立を図ってきました。

「働く幸せ」を実感させる一冊として高く評価される傾向にある本書ですが、同時に“美談”に終わらせず、現場には長年にわたる投資や設計努力が積み重ねられていることを忘れてはいけません。日本理化学工業では、障がい者を単なる雇用対象ではなく「重要な戦力」と捉え、どうすれば力を発揮できるかを試行錯誤し続けてきました。作業の流れを一人ひとりに合わせて整備し、適切な役割を与えることで、社員は「必要とされている」という実感を得ています。そうした姿勢こそが、経営と福祉をつなぐ実務的なヒントとなり、多くの読者の心を打っています。

まとめると、『虹色のチョーク』は、人が働く意味を問い直すと同時に、仕組みと工夫で多様性を力に変える実例を示す一冊です。理念を現実に落とし込む「設計図」として、多くの経営者や現場に学びを与え、読者に“働くことの本質”を考えさせてくれます。

【以下、引用】

住職は「人としての幸せについて教えましょう」と言ってこう語り出しました。この四つが、人間の究極の幸せである、と

曰く、物やお金をもらうことが人としての幸せではない。

人に愛されること

人に褒められること

人の役に立つこと

人から必要とされること

人に愛されることは、施設にいても家にいても感じることができるでしょう。けれど、人に褒められ、役に立ち、必要とされることは、働くことで得られるのですよ。つまり、その人たちは働くことによって幸せを感じているのです。施設にいてゆっくり過ごすことが幸せではないんですよ、と。人に求められ、役に立つという喜びがある。住職のお話を聞いて、そのことに気づいたのです。まさに、目からうろこが落ちる思いでした。

私は、この先チョーク屋では大きな会社になれないのなら、一人でも多くの障がい者を雇う会社にしようと思いました。

 

ダウンロードはこちらから

2025.10.02

あいさつ

大澤賢悟です。今年の夏山は、次男にとって小学生登山の集大成となる挑戦でした。

登山道に雪が降り始めれば難易度は一気に跳ね上がり、子供と共に夏のような難路へ足を踏み入れることはできません。そのため、この夏にこそ臨むべきと決めたのが、大キレットとジャンダルム。いずれも西穂高から槍ヶ岳を最短で結ぶルート上にあり、一般登山道の中でも最高難度に数えられる区間です。特に、西穂高岳から奥穂高岳を抜けるジャンダルムのルートは「最難関」と呼ばれ、登山者の間でも憧れになっています。

前日の山小屋では、「小学生と一緒に本当にその道を行くのか」と初めて確認を受けました。確かに、岩場の多い難路では、大人と子供の体格差が足場の困難さに直結します。だからこそ、このルートではハーネスを着け、ロープで確実に確保しながら進みました。安全のための一歩一歩に神経を注ぎ、緊張の糸を切らすことはありませんでした。正直ソロなら、どれだけ気が楽かと思う場面もありました。

実際に、私たちが通過する前日に一人、さらに通過してわずか一時間後にも一人が滑落して命を落としています。通過した後ろで救助ヘリが長時間にわたって捜索活動をしているのを見ると、「お世話にならないようにしないといけない」と気が引き締まる思いでした。この夏山の挑戦は、単なる登頂ではなく、次男のこれまでの歩みを凝縮した集大成。難関を越えた経験は、山に限らずこれからの人生においても大きな糧となるに違いありません。

 

リース資産のリスクと借入活用の考え方

事業を始めるときには、売上を生み出すために欠かせない資産が必要になります。運送業であればトラック、歯科医院であれば治療機器、飲食業であれば厨房設備といった具合です。これらを導入する際に「リース」を利用するケースは多く見られます。初期費用を抑えられ、起業直後でも比較的契約しやすいという利点があるからです。しかし、その裏には大きなリスクが潜んでいることを忘れてはいけません。

リース契約の最大の特徴は、資産の所有権がリース会社にある点です。事業者はあくまで「使用する権利」を得ているにすぎません。そのため、万が一リース代金が払えなくなると、契約は解除され、リース資産は返却しなければならなくなります。しかも、残りのリース料を一括で請求されるケースも多く、「資産を失うだけでなく負債が残る」という二重の負担を抱えるリスクがあります。

特に注意が必要なのは、事業の中核を担う主要な資産をリースした場合です。運送業であればトラック、歯科医であれば診療機器を失えば、その時点で本業を継続できなくなってしまいます。つまり、リースの返済不能は単なる資金繰りの悪化にとどまらず、事業そのものをストップさせる危険性をはらんでいるのです。

一方で金融機関からの借入は、返済に行き詰まったとしても「リスケジュール」という仕組みで返済条件を変更できる余地があります。元金返済を一時的に止めて利息のみを支払う、といった措置が認められる場合があるのです。もちろん銀行との交渉や改善計画の提示は必要ですが、事業を続けながら立て直す可能性が残されている点は、リースにはない大きなメリットといえるでしょう。

もちろん、借入もリースも「返済義務のある負債」であることに変わりはありません。大切なのは調達手段そのものではなく、事業計画をしっかり立てたうえで、返済可能な範囲で最小限にとどめることです。起業時にはリースの方が簡単に利用できるため頼りたくなる気持ちは理解できますが、事業の安定性を考えると、むしろ堅実な事業計画を作成して借入を中心に考える方が望ましい選択です。

まとめると、リースは便利な資金調達方法である反面、代金が払えなくなったときのリスクは極めて大きいものです。主要な資産をリースに頼るのではなく、借入や自己資金を組み合わせてリスクを分散し、負債は最小限に抑える姿勢が経営の安定につながります。事業を成長させるための資金調達こそ、慎重に戦略を立てることが求められます。

 

安くて便利 Gemini-API

最近では生成AIをブラウザから気軽に使えるようになり、多くの方が文章作成や情報収集に活用しています。確かに便利なのですが、実際にビジネスで使おうとすると不便を感じることも少なくありません。たとえば同じ作業を何度も繰り返さなければならなかったり、長い文章を作らせると処理が終わるまで手を止めて待たなければならなかったりします。こうした小さな手間が積み重なると、経営の現場では思ったほど効率化につながらないのです。そこで私が試してみたのが、Gemini-APIをPythonというプログラミング言語を通じて利用する方法でした。最初は難しそうに感じましたが、実際に導入してみると驚くほど簡単で、しかもとても便利でした。

一度仕組みを作ってしまえば、何度も同じ操作を繰り返す必要がありません。Pythonに任せておけば自動的にAIが文章を生成してくれるので、人がつきっきりで操作する必要がないのです。夜にまとめて処理を仕掛けておけば、朝には結果が揃っているという使い方もできます。これなら待ち時間を別の仕事に充てられるため、限られた時間を有効に活用できます。さらに大きな魅力はコストです。実際に7000文字ほどの記事を160本生成させたのですが、かかった金額はわずか1846円でした。1本あたりに換算すると10円ちょっと。もし外注に頼めば数万円はかかるであろう作業が、これだけ低コストで済んでしまうのです。しかもGoogleはさらに安価なモデルも発表しており、今後はもっと安く利用できる可能性が高いとされています。

もちろん「Python」と聞くと専門的で難しい印象を持たれる方も多いと思います。ですが、環境設定のやり方はインターネットにあふれており、特別な知識がなくてもマニュアルに沿って進めればすぐに動かせます。もし周りに少しパソコンに詳しい人がいれば、導入のハードルはさらに低くなるでしょう。

人手や資金に余裕がない零細企業こそ、こうした仕組みを取り入れるメリットは大きいと感じます。定型的な作業をAIに任せてしまえば、経営者はもっと大事な判断や顧客対応に時間を使えるようになります。限られたリソースを最大限に活かすための有効な手段として、Gemini-APIをPythonから使う方法はとても有望です。

実際に試してみて、私は「これは経営の強い味方になる」と確信しました。人手不足や外注コストに悩む経営者の方こそ、この便利さを体験してほしいと思います。ブラウザだけでの利用に比べてひと手間かかりますが、その効果は想像以上です。もし「同じ作業を繰り返して時間を無駄にしている」「外注費を抑えたい」と思っているのであれば、ぜひ一度チャレンジしてみてください。

 

3Dプリンター住宅が変える人手不足時代の家づくり

家づくりの常識が、今まさに大きく変わろうとしています。3Dプリンターを活用して住宅を建てる技術が、いよいよ実用化の段階に入りました。 この新しい工法では、壁面を専用のモルタルで積み上げ、その内部に鉄筋やコンクリートを流し込む構造をとります。従来は熟練の型枠職人が必要でしたが、型枠部分を工場で生産できるため、現場では少人数でも建築が可能です。最近のマンション建築では、建築費高騰の原因が資材価格から人件費に変わりつつあります。3Dプリンター住宅であれば、必要な人数が減り、効率が格段に上がります。結果として、1人当たりの建築棟数が増えると、総人件費を抑えつつ、一人当たりの生産性を高めることで職人の賃金向上が可能になります。販売価格は一般的なハウスメーカーの約半額が想定されており、家を持つことのハードルも大きく下げそうです。 もちろん、新技術ならではの課題もあります。現段階では専用モルタルの価格が高く、また3Dプリンター本体への設備投資も大きな負担です。しかし、普及が進み量産体制に入れば、こうしたコストは確実に低下していくと予想されます。棟数が増えるほど、1棟あたりの費用は大幅に抑えられ、コスト面の課題は時間とともに解決していくでしょう。将来を見据えると、この技術はAIとの融合が期待されます。既にコンピュータ化された基本図面があるため、これをもとに、AI制御の重機が鉄筋やコンクリートの施工まで行えば、建築現場はさらに少人数化できるでしょう。建築の効率性と安全性が飛躍的に向上する未来は、もうすぐそこまで来ています。

「人手不足の時代に、いかに家を建てるか」という課題に挑む3Dプリンター住宅。住まいの常識を変え、未来の暮らしを支える存在として、その可能性は日々広がっています。

 

ダウンロードはここちらから

2025.10.02
人手不足でかなりきつい。あちこちの会社で言われます。いつも言われます。でも簡単に解決することができません。なぜなら、求人って会社を働きたい人に売るものです。でも、中小企業の求人って、なんというかさえないんですよ。時間もなく、作り方も知らずに作っているので、当然と言えば当然ですが。

 そんな求人票を見ていて、「マーケティングの基本を導入するだけでだいぶ改善できるなぁ」と感じました。求人票をきちんと作るサービスを提供すれば、良い商品になるかも…と思いました。が、うちの地域、某自動車会社さん(とその一次受けとか)が強すぎて採用がめちゃくちゃ難しいんです。日本一求人が難しいんじゃないかというぐらい大変です。期間工の未経験者で1年目500万越え社宅付き食事補助付きって条件強すぎですよね。色々なセミナー受けて、数十ページの資料も作って、サービスを作ってテストマーケティングして…そのうえでサービス提供することをやめました。求人サポートって全部人力でやるんで工数がすごくかかります。にもかかわらず、一人採用するのにとても時間がかかります。つまり、いただいた報酬に対してお客さんに還元するのに時間がかなりかかってしまいます。依頼を受けても、なかなか人が取れない状態が続きます。サービスとして提供しても、下手をするとうそ臭い商売と思われかねないリスクがありました。

最近では、専門的に求人サポートをしている人も増えているので、地域が違えばよいサービスだったんじゃないかなと思います。ただ、私が検討したのは時代がコロナ前だったので、対面じゃないとサービス提供が難しかったんですよ。今だと感じにくいかもしれませんが、当時はオンラインを使って広い範囲に提供しにくい時代でした。本職のコンサル等でもタブレットを使って画面を通じてということを提案すると、なんで対面じゃないの?という時代でした。今は、ZOOM等のオンラインが市民権を得た感じですが、その時はまだまだでした。

良い求人票を作れば、圧倒的に求人の精度は上がります。でも、サービス提供するのはかなり難しい。コロナになり求人が大幅に減ったということもあり、もったいないですが、商品やサービスを作っても、商売していればよくあることと、せっかく作ったノウハウは使わず眠ることになりました。

コロナが明けると、OpenAI社がChatGPTを公開して、生成AIブームがきました。初期の頃は、まだまだオモチャのレベルでしたが、短期間で成長したため、最近の文章作成能力はすごいものがあります。そこで、ふと気づきました。これ使えば求人票、楽に作れる…と。でも、そうなるともう商売にならないなぁと思いました。零細企業向けに求人票を作る部分ではAIを使って、それぞれの会社で、簡単に作れば良いので。まだまだ、求人をマーケティングの視点からきちんと作り込み、どんなSNSを使うのか?動画等を作り込んで等、手間暇をかける手法はサービスとしての価値があると思います。でも、これって零細企業ではなかなか利用できません。月30万~とか、50万~と言われて簡単に出せる零細企業はほとんどありません。そういう意味でも、零細企業は自分で確度の高い求人票を作れる時代が来たんだなと思います。

厳密ではなく、ある程度あいまいで、柔軟性がある文章を作る作業は、生成AIと非常に相性が良い分野です。求人票の作成って、これに該当します。実際に、私がGPTsで簡易的な求人作成ツールを作ったところ、数問の質問に答えるだけで、意外と「いい感じの求人」が出てきました。興味があれば、ちょっと触ってみてください。
▶︎ ChatGPT求人作成支援ツール
https://chatgpt.com/g/g-9Tf5H2aG9-qiu-ren-zuo-cheng-zhi-yuan

求人は、求職者に対して自社を売り込む「営業活動」のひとつです。適当でもそれがうまくできるのは、ごく一部の“モテる企業”だけ。大企業はブランド力があるので、少々そっけない求人でも人は集まります。いわば、人気アイドルが「好きだよ」とつぶやけば、ファンが殺到するのと同じです。とはいっても、人気の高い芸能人のファンサービスがきちんとしているように、大企業でそっけない求人作る会社はありません。すごく上手に作り込まれています。
一方、中小企業、特に零細企業は、非モテの無名一般人。SNSで「好きだよ!」と叫んでも、誰にも気づかれません。見向きもされません。「いいね」もゼロです。そんな現実のなかで、「どうすれば振り向いてもらえるか?」を真剣に考える必要があります。でも、現場の本音はこうです。
「時間がない」
「お金がない」
「知識もない」
そのうえ、何をどう改善したらいいのかすら分からない。求人票がラブレターだとしたら、文才のあるモテる人は自然に魅力的な文章を書けますが、不器用な非モテにはそれが難しいのです。とはいえ、求人会社へ依頼すると、すごい金額なんですよね。特段すごい求人票でもないのに。

こうした体験を通じて得た知見やノウハウを、埋もれさせるのはもったいない。そう思い、ちょっとまとめてみました。なるべく時間をかけずに書いているので、多少おかしなところがあるかもしれませんが、ご容赦ください。でも、読んでもらえば役に立ちます。読む時間がかかりますが、生成AIを使えば結構な金額で依頼する求人以上のものが簡単に無料でできます。

本稿では、とりあえず、極力無料で質の高い求人を短時間で作ることを主眼に置いています。AIが苦手な所は、タダで利用できる機関も使っちゃいます。ただ働きさせるわけではなく、Win-Winになる関係なので問題ないです。むしろバンバン使ってほしいです。求人票を作るための“素”となる情報も、生成AIの力を借りて用意します。構成はざっくり以下の3ステップです。
①必要となる情報を生成AIで抽出
②抽出した情報をもとに、求人用の文章を生成AIで作成
③作成した求人内容を活かして、求人用の簡易HPを生成AIで作成
全部、AIが行ってくれるため作業コストが激減します。作成後は、ハローワークや無料版Indeedに掲載しても構いませんし、必要に応じて有料媒体を使ってもOKです。より詳細に会社の魅力や働き方を伝えたい場合は、生成AIで作った求人用HPへ誘導し、見てもらいましょう。ちなみに求人用HPも生成AIで簡単に作れます。
なお、本稿を作成するにあたっての実験では、生成AIにChatGPTを使っています。他の生成AIでどのような出力がされるかは試していませんが似たような結果になるのではないかな?と思っています。

2025.10.01

9/30 – 10/2で美里中学より職場体験に来てくれました。

月末・月初ということでお客様訪問が難しいところもあり

マーケティング的な視点から課題をいくつか出しました。

税金のことより会社の相談の方が多いのが実態。

どうやったら会社が良くなるか?を今後も考え続けてもらえれば

税理士にならなくても本人の役に立つかな?と思います。

また、現場のアナログ的な部分とデジタルの最先端部分、

両方を体験してもらいました。

あえてアナログ、ここはAIもバリバリ使う。

その辺の切り分けも重要かなぁと思います。

こういった若い世代になにか伝えられるように、

どこかの学校で講師?先生?もやれると良いなと思っています。

2025.09.02

『努力革命 ラクをするから結果が出る!アフターGPTの成長術』

尾原 和啓 (著), 伊藤 羊一 (著)

幻冬舎 (2024/5/22) 1,650円

 

【感想】

尾原氏は京都大学大学院修了後、マッキンゼー在職中、ドコモの「iモード」立ち上げを支援。その後リクルート、KLab、Google、楽天など数々の企業で要職を歴任。内閣府AI戦略検討委員や経産省委員も務める。TEDやBurning Japanに関わるなど活動領域は広く、DXやメタバース、ChatGPT解説でも知られる。伊藤氏は東京大学経済学部卒。日本興業銀行で営業・事業再生に携わった後、プラス株式会社にて物流やマーケティングを統括。2015年よりヤフー株式会社で次世代リーダー育成を担う「Yahoo!アカデミア」責任者に就任。各種アクセラレーターでメンターも務め、幅広い分野で人材育成・事業支援に取り組む。そんなお二人が共著として仕上げた、ChatGPT後の世界を渡っていくための実践の書です。

ChatGPT以降の実務をテーマにした書籍は数多くありますが、その中でも本書は非常にバランスが良く、かつ実践的な一冊といえます。本書は細部にとらわれず、「ChatGPTという道具を今後どのように捉えるべきか」という本質的な視点から語られている点が際立っています。近年では「ChatGPTは意外と使えないのでは」という失望の声も聞かれるようになりましたが、それは過度に高い期待を抱いた反動にすぎません。ChatGPTはあくまでも人間を補助する道具であり、万能の魔法の杖ではありません。本書はその現実を踏まえたうえで、「では実際にどこまで頼ることができるのか」「どう活用すれば成果につながるのか」という道しるべを、無理のない現実的な形で提示しています。

ChatGPT時代を超え、アフターGPTと呼ばれる新しいフェーズをどう生き抜くか。そのための成長術を知りたい方にこそ、ぜひ一読いただきたい一冊です。

 

【以下、引用】

1 「80点」が合格ラインでなくスタート地点になる

プレゼン資料の叩き台まで作ってくれます。僕たちがやることは、AIが作った叩き台から良いものを選び・・・。いわば100点満点中、80点までの仕事は、どんどんAIが先回りしてやってくれる。

2 あらゆる物事は「個別化」していく

学習の進みぐらいや興味に合わせて、ChatGPTが一人ひとりにカスタマイズした幅の階段を作ってくれるので、誰もが階段を上がりやすくなります。ビジネスの現場でも、たとえば「100人の能力や適性に合わせて100通りのマニュアルを作ってください」と言えば、あっという間に作ってくれるようになるでしょう。

3 正解主義から修正主義へ

これまで僕たちは「物事には正解がある」という前提のもとに生きてきました。しかし、…もはや正解を出す力だけでは勝負できません。そうなると、いかに修正を繰り返しながら、より良いもの、みんなが納得するものを作れるかが鍵になります。・・・不完全でもいいから数を打って、その中で軌道修正しながら正解を見つけていける人のほうが、有利なのです。

 

ダウンロードはこちらから

NEXT
1 2 3 4 37