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2026.06.02

『現役東大生が書いた

地頭を鍛えるフェルミ推定ノート』

東大ケーススタディ研究会(著)

東洋経済新報社(2009/9/18) 1,547円

 

【感想】

エンリコ・フェルミは、ノーベル物理学賞を受賞し、世界初の原子炉を実現したことで知られる物理学者です。彼の名前が付いた「フェルミ推定」は、正確なデータがなくても、手元にある情報から大まかな答えを導き出す考え方です。名前の由来には、フェルミ自身が概算の達人だったことや、学生にこのような問題を出すのを好んでいたことなどが挙げられます。

有名な問題として、「シカゴにピアノ調律師は何人いるか」があります。人口や世帯数、ピアノ保有率などの仮説を積み上げながら答えを推定していきます。目的は厳密な正解を求めることではなく、限られた情報から全体像を把握することにあります。

経営も同じです。すべての情報が揃うまで待つのではなく、手元の情報から仮説を立て、意思決定していかなければなりません。その姿勢こそがフェルミ推定の本質です。数字に強い人ほど、実は概算力を大切にしています。

本書は、フェルミ推定を身につけるための入門書です。やや細かい部分まで解説されていますが、「何から考えればよいのか分からない」「発想の糸口が見つからない」という人には非常に役立ちます。本書で基本を学んだ後は、ローレンス・ワインシュタイン、ジョン・A・アダム著『フェルミ推定力養成ドリル』(草思社文庫)に取り組んでみてください。

概算力が身につくと、経営の現場でもとても役立ちます。経営者に求められるのは、細かな数字を扱うことではなく、売上や利益、市場規模、競合の動向などを上1桁から2桁程度の精度で把握し、大きな流れをつかむことです。市場や競合の状況を素早く概観し、自社の立ち位置を考え、次の一手につなげる。フェルミ推定はそのための武器になります。

 

【以下、引用】

フェルミ推定は、基本的に次の5つのステップで進めていきます。ここでは「日本に鞄はいくつあるか?」という問題を例にステップを順に解説します。

①前提確認

鞄をどのように定義するか(定義)、どのような鞄を数えるのか(範囲の限定)。

ボストンバッグからポーチまで種類は多様。所有者別にみても、お店に飾ってある法人が所有する鞄や、中高生が学校にもっていく個人が所有する鞄がある。

②アプローチ設定

基本的な指揮を設定します。

日本における鞄の数=日本の人口×鞄の平均所有数

③モデル化

上記の式の日本の人口や鞄の平均所有数を分解するもの。

日本における鞄の数= (男女×各世代)×(各セグメントの鞄の平均所有数)

④計算実行

⑤現実性検証

①~④のステップで自分が設定した計算式の正しさや数の性格さをチェックする

 

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2026.06.02

あいさつ

大澤賢悟です。

今年は暑いですね。5月にもかかわらず、すでに30度を超える日が続いています。

このペースでいくと、7月や8月には40度を超える日が出ても不思議ではありません。

長男はラグビーをやっています。先日も試合を見に行きましたが、ラグビー場にはほとんど

日よけがありません。選手たちは炎天下の中で全力疾走し、激しくぶつかり合い、何度も立ち上がっては走り続けます。見ているだけでも体力を消耗しそうな環境です。試合が終わった後の姿を見ると、その過酷さがよく分かります。さすがに疲労困憊です。それでも、しっかり食べて水分を補給し、十分に休むと回復するので、若さはすごいなあと感じます。

しかし、我々はそうはいきません。暑さでバテてしまうと、なかなか回復しません。特に経営者が倒れると、中小企業は大きな影響を受けます。場合によっては会社そのものの存続にも関わります。無理をせず、しっかり食べて、しっかり休む。今年の夏も暑くなりそうです。体調管理を徹底し、無事に乗り切しょう。

 

 

人手不足は本当に続くのか?

現在は少子化による人材不足で、学生優位の「売り手市場」が続いています。企業は初任給を引き上げ、人材確保競争を繰り広げています。しかし、経済産業省は2040年に大卒・院卒の文系人材が約80万人余るとの試算を公表しました。一方で、AIやロボットを活用する理系人材は不足すると予測されています。

ただ、私はもう少し長い目で見る必要があると思います。現在は理系人材不足が話題になっていますが、その理系人材が担う仕事そのものがAIによって効率化・自動化される可能性があります。実際、プログラミング、データ分析、設計、資料作成などは生成AIによって急速に生産性が向上しています。今は不足している理系人材も、10年後、20年後には「余る側」に回る可能性がないとは言えません。

また、「ブルーカラーは安泰でホワイトカラーが危ない」という見方もあります。確かに現時点では、現場作業はAIより人間の方が得意です。しかし、一部の代替されにくいブルーカラー職を除けば、フィジカルAIやロボット技術が進化すれば状況は変わります。工場の多能工、物流倉庫の作業員、建設現場の一部業務なども徐々に機械化される可能性があります。すべてが置き換えられるわけではないですが、20%、30%と置き換えられた場合、大きな影響が出ます。

そう考えると、文系か理系か、ホワイトカラーかブルーカラーかという区分そのものが、将来的にはあまり意味を持たなくなるかもしれません。重要なのは「AIやロボットを使う側に回れるか」「AIでは代替しにくい付加価値を生み出せるか」という点です。

経営者の立場から見ると、さらに別の視点も必要です。人口減少はほぼ確実であり、「人が採れない」という前提で経営を考えなければなりません。従来のように人材採用だけで人手不足を解決するのではなく、AIや自動化ツールを活用しながら少人数で高い成果を出す組織づくりが求められます。

私自身、税理士・経営コンサルタントとして生成AIを活用していますが、以前は数時間かかっていた作業が数十分で終わることも珍しくありません。人材不足を嘆く前に、「この仕事は本当に人がやる必要があるのか」を見直すことも重要です。

人手不足だから安心、理系だから安泰という時代ではなくなりつつあります。これからは個人も企業も、AIを脅威として見るのではなく、使いこなす前提で成長戦略を考えることがますます重要になるのではないでしょうか。

 

 

農地もマッチングの時代へ 地図で見つける買い手・借り手

愛知県で面白い取り組みが始まっています。

航空測量会社の中測技研(名古屋市)が開発した「未来の農地マップ」は、農地を売りたい人・貸したい人と、農地を買いたい人・借りたい人を地図上で結び付けるマッチングサービスです。

農地所有者は、自分の農地を地図上で選び、耕作状況や希望価格などを登録します。一方で、農地を探している人は、希望する農地を選び、耕作経験や栽培予定作物などを入力して申請します。その後、自治体が間に入り、条件が合えば当事者同士で契約を進める仕組みです。

現在は愛知県南部の田原市、豊橋市など4市町で導入されており、すでに成約事例も出ています。利用者からは「探しやすい」「手続きが簡単になった」と好評とのことです。

高齢化や担い手不足により、農地を維持することが難しくなる中、このサービスは農地の流動化を促し、耕作放棄地の防止につながる可能性があります。今後はアプリ化や収益シミュレーション機能の追加も検討されているそうです。このサービスを活用することで、様々なメリットがあります。例えば、次のような事例です。

【活用例①】

農業を始めたい人が、自宅近くの農地や条件の良い農地を地図から探し、購入や賃借の申し込みを行います。従来よりも効率的に農地を探せるため、新規就農を早く進めることができます。

【活用例②】

相続で農地を取得したものの、自身では耕作する予定がなく管理にも困っている場合、未来の農地マップを活用して買い手や借り手を探すことができます。農地は一般の不動産と異なり売却先が限られます。マッチングサービスで農地の有効活用や処分方法の選択肢の一つになるかもしれません。

相続税の相談でも、「農地を相続したが今後どうしたらよいか」という話はよく出てきます。農地を持ち続けるだけでなく、「貸す」「売る」という出口戦略を考える上で、一度チェックしてみる価値のあるサービスだと思います。

※農地の売買・賃貸には農地法上の許可や要件が必要なため、実際に契約できるかどうかは自治体や農業委員会の審査によります。サービスに登録したから必ず売買・賃貸が成立するわけではありません。

 

 

完全養殖ウナギの試験販売開始!

世界で初めて、完全養殖ウナギの試験販売が始まりました。ウナギは稚魚(シラスウナギ)の不漁が続き、ニホンウナギは絶滅危惧種にも指定されています。このままでは将来、今のように気軽にウナギを食べられなくなる可能性もありました。

そのような中で、卵からふ化させて成魚まで育てる「完全養殖」の商業化は大きな前進と言えます。最近では、ニホンウナギをワシントン条約の規制対象に加える議論もありました。結果的に規制は見送られましたが、天然資源に依存しない生産体制を構築することの重要性を改めて感じます。

とはいえ、今回の試験販売は2尾で9,720円と高額です。この価格のままでは普及は難しいでしょう。一般家庭でも気軽に購入できる価格帯になることを期待したいところです。

 

 

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2026.05.01

『日本の田舎は宝の山』

曽根原 久司(著)

日本経済新聞出版(2019/7/2) 880円

 

【感想】

著者は企業経営のコンサルタントを経るなかで日本の未来に危機を感じ、その改善を行うため山梨へ移住しました。その後、都市と農村の共生をすすめるビジネスをおこなうためNPO法人えがおつなげてを設立します。本書は、そんなえおつなげてを通じて、耕作放棄地の復活、農村観光ツアー、6次産業化による農村ビジネス等、様々な事業に取り組んだ実践がまとめられた一冊です。原著は2011年10月に刊行され、改訂・文庫化され本書が刊行されました。

少子高齢化と人口減少が進み、限界集落は増え、地方の活力は年々失われています。さらに近年は、海外要因の影響も受けて物価上昇が続いており、この流れは一時的なものではなく、今後もじわじわと私たちの生活や経営に重くのしかかってきます。長年「地方創生」という言葉が掲げられてきました。しかし、正直に言えば成功事例はほとんどありません。国が投じてきた多額の予算が無意味な事業に姿を変えてしまったものも少なくありません。地域活性化の象徴のように各地で整備された道の駅も、実際には赤字を抱え、場合によっては地域経済の重荷になっているケースすらあります。

本書では様々な挑戦をしています。えがおつなげてのHPと比較すれば、「挑戦した結果として何が残り、何が消えていったのか」がリアルに伝わってきます。

今のような混迷の時だからこそ、地方には可能性があるのではないかと思います。インフレが進むこれからの時代、眠っている資源、人とのつながり、地域ならではの強み――そうした日本の地方に目を向けることが、新たなビジネスの可能性につながる。そんなことを考えさせられる一冊でした。

 

【以下、引用】

都市と農村のニーズをつなぐためには、まず農村資源を把握することが重要です。農村資源にはいったいどういったものがあるのか。私はそれらを四つに体系化し、分類してみました。

①場所 / ②モノ / ③ヒト / ④無形資産

次に、農村資源の特徴づけを行います。農村資源の特徴がはっきりすれば、地域で最も有効な資源を探し出し、特徴を活かして事業の設定をすることができます。農村資源の特徴を把握する上では、次の三つの視点が重要です。

①数値化する

②ミクロとマクロの両面から押さえる

③多様な資源の価値を考える

なぜ数値化が重要かというと、農村資源というのは数値化されていないことが非常に多いからです。数値が無ければ事業規模がわからず、適切な事業設計ができません。たとえば、山梨県にはゆずの遊休果樹園があります。この遊休果樹園はどのぐらいの面積なのか、果樹園からはどのくらいの収穫量が見込めるのか、10アール当たり、または1ヘクタール当たりどのくらいか、ゆず1本からどのくらいの収穫があるのかを把握します。

全国を訪ねていると「うちの米は日本一うまいんだ」という農家にしばしばお目にかかります。でも、そのお米が本当に日本一おいしいかどうかはわかりません。当事者の思いやこだわりだけではない客観的な情報を把握する必要があります。

 

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2026.05.01

あいさつ

大澤賢悟です。

約5年ぶりに、恵那山へ行ってきました。

今回の目的は、「この5年間でどのぐらい歩けるようになったのか」の確認と、あわせてトレーニングです。山に登ると、体力や持久力はかなり正直に数字で出ます。なんとなく「前より歩ける気がする」という感覚ではなく、過去の自分と比べてどうかがはっきり分かるのが面白いところです。

コースは広河原登山口駐車場からの往復約11km、標高差は約1,100m。5年前、このコースを歩いたときは8時間25分かかりました。当時はかなり疲れていた記憶があります。今回は3時間47分。降りてからも、多少余裕がありました。人は年齢を重ねると衰えると言われますが、鍛えれば伸びる部分もまだまだあるなぁと感じました。

年齢的には、衰えが進みそうですが、次の目標に向けて、またコツコツ積み上げていこうと思います。

 

 

補助金・税制優遇の見直し時代へ

補助金や税制優遇の見直しが本格的に始まりそうです。政府は「日本版DOGE」という形で、補助金や租税特別措置法に基づく各種の税制優遇について、本当に効果があるのかを改めて検証しようとしています。

租税特別措置というと少し難しく聞こえますが、簡単にいえば「特定の設備投資をしたら税金を軽くする」「一定の政策目的に沿う企業に優遇措置を設ける」といった仕組みです。本来は企業の投資や成長を後押しするための制度ですが、一度作られると見直しがされにくく、「本当に今も必要なのか」という議論がたびたび出てきます。

今回、特に厳しい目が向けられているのが補助金です。前向きな設備投資や新たな取り組みのきっかけになる一方で、「生産性の低い企業の延命につながっている」という厳しい指摘も出ています。補助金によって本来であれば見直すべき事業がそのまま続いてしまったり、申請の複雑さゆえに支援コンサルへの報酬ばかりが膨らんでしまったりと、本来の目的から少しずれた使われ方も見受けられます。

ただ、ここで経営者が考えるべきことはシンプルです。補助金があるからやる、税制優遇があるから買う、ではなく、それが本当に会社の利益を増やす投資なのかという視点です。制度はあくまで追い風であって、経営判断の軸ではありません。仮にこうした支援策が縮小されたとしても利益が残るのか。そこまで考えたうえで意思決定することが、これからの経営にはより重要になってくると思います。

 

 

こんなDXもあり?-しゃぶ葉の予約の空きを自動でチェック

身近なことから、自動化してみませんか?「自動化」と聞くと、AIや難しいプログラミングを思い浮かべる方も多いですが、実はもっと身近なところから始められます。例えば、「繰り返し確認していること」を代わりにチェックしてもらうだけでも立派な自動化です。

私も最近、Google Apps Scriptを使って、しゃぶ葉の予約監視システムを作ってみました。特定の日に空きが出たら通知する仕組みです。結局ほとんど空かず、予約は取れなかったのですが(笑)、自分で何度も確認する手間が省けるのはかなり便利です。それに、「そもそも予約ってほとんど空かないんだな」という気づきも得られました。

このように、日常のちょっとした“確認作業”は自動化と相性が良いです。例えば、特定のニュースを定期的にチェックしたり、条件に合う情報だけ通知したりすることも簡単にできます。従来のプログラムだとパソコンをつけっぱなしにする必要がありますが、クラウドを使えばその必要もありません。しかも今は、コードもほとんど自分で書かずに実現できる時代です。

まずは「自分が面倒だと感じていること」を一つ見つけてみる。そこから自動化を始めてみると、思った以上に生活が変わるかもしれません。

 

 

相続税についてのお尋ねは重要なサイン

相続が発生したあと、しばらくして税務署から「相続税についてのお尋ね」が届くことがあります。これ、何となく軽く見てしまう方も多いのですが、実はかなり重要なサインです。見方を間違えると、その後の対応を誤ります。

まず前提として、この「お尋ね」は誰にでも送られるものではありません。税務署が「この方は相続税の申告が必要になる可能性がある」と判断した相続人に対して送付しています。つまり、一定のフィルターを通過している状態です。では、その判断は何をもとにされているのか。ここがポイントです。税務署は、亡くなられた方の過去の収入、不動産の保有状況、生命保険金の支払い、金融機関の取引情報など、様々なデータを横断的に把握しています。いわば、「見えている範囲の資産」から、ある程度の財産規模を推定しているわけです。

その上で「これは相続税の対象になる可能性がある」と判断された場合に、このお尋ねが送られてきます。言い換えれば、「一定以上の財産を持っていたのではないか」と税務署が考えている証拠でもあります。

ただし注意したいのは、お尋ねが来た=必ず相続税がかかる、というわけではないという点です。実際には基礎控除の範囲内で収まるケースもありますし、評価の仕方によっては申告不要になることもあります。

しかし、それでも「マークされている状態」であることは間違いありません。ここをどう捉えるかで、その後のリスクが大きく変わります。

少なくとも、このお尋ねには何らかの形で回答しておくべきです。無視してしまうと、「回答がない=問題あり」と受け取られる可能性があります。特に、財産規模が微妙なラインであれば、説明次第で不要と判断されることもありますので、ここでの対応は非常に重要です。

一方で、明らかに相続税が発生するレベルの財産があるにもかかわらず、何も対応しないというのは、かなりリスクが高い行動です。この場合、税務調査に進む可能性は一気に高まります。税務署としても、一定の根拠をもって「おかしい」と見ているわけですから、放置すればそのまま終わるという期待は持たない方が良いでしょう。

さらに気を付けたいのは、内容に虚偽を書いてしまうケースです。「少しくらいなら大丈夫だろう」と思って事実と異なる記載をすると、後で調査が入った際に重加算税の対象となる可能性があります。重加算税は通常の追徴課税とは異なり、意図的な隠ぺい・仮装と判断された場合に課されるもので、税額が最大で40%上乗せされます。

ここまで来ると、単なる「申告漏れ」では済まなくなります。

結局のところ、この「お尋ね」は単なるアンケートではありません。税務署からの「確認の入口」であり、「見られている」というサインです。軽く扱うのではなく、現状を正確に把握し、必要であれば専門家と一緒に対応を整理する。これが結果的に一番コストを抑える行動になります。届いた時点で勝負は始まっています。どう対応するかで、その後の展開は大きく変わります。

 

 

2028年の金融インフラを先取り 丸井の仮想通貨カード構想

丸井グループが一歩先を打ってきました。今回「仮想通貨で引き落としができるクレジットカード」を開始します。これは単なる決済手段の多様化ではありません。もともと丸井グループは、新宿を中心に百貨店のイメージが強い一方で、実態はエポスカードを中心とした金融ビジネスへ大きく舵を切ってきた企業です。店舗で顧客と接点を持ち、カードやアプリを通じて生活全体の決済へ広げていく。その延長線上に今回の提携があります。

もっとも、現時点で暗号資産による引き落としが一気に普及するかというと未知数です。実需というより、まずは「日本初」という話題性を作り、市場での存在感を高める狙いも大きいでしょう。ただ、丸井の強みはそこから先にあります。若年層との接点が強く、「マルイ」というブランド自体が若者文化との親和性を持っています。暗号資産に関心を持つ層とも重なりやすく、新しいサービスへの入口として機能する可能性があります。話題づくりにとどまらず、若者との接点強化という意味でも、丸井らしい戦略的な一手に見えます。2028年から仮想通貨の流動性が高まる可能性に向けて今後も各所から様々なサービスが出てきそうです。

 

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2026.04.03

『最速で仕事の進め方が激変する

Google NotebookLM 徹底活用術』

ヨス (著), 松山 将三郎 (著), 染谷 昌利 (著)

日本実業出版社(2026/1/9)  2,200円

 

【感想】

汎用的な生成AIにはハルシネーション(誤情報の生成)がつきものです。この課題をできる限り抑えるために考えられた技術が、RAG(Retrieval-Augmented Generation)です。RAGは、ベースとなるAI(GoogleであればGeminiなど)が文章を生成する際に、あらかじめ指定した情報のみを参照させる仕組みです。

本書は、そのRAGの考え方を実務レベルで活用できるツールとして、特に知名度の高いNotebookLMの使い方を解説した一冊です。HowTo系の書籍であるため、ツールの仕様変更によって内容が陳腐化する懸念はありますが、現時点では内容に問題はなく、巻末には読者限定の特設サイトも用意されており、仕様変更への対応も意識されています。

本書で扱われている内容は、NotebookLMの中でも比較的基礎的な機能が中心です。ただし、こうした基礎機能の組み合わせこそが応用につながるため、NotebookLMをまだ使いこなしていない人にとっては、一度体系的に理解するのに非常に適した内容だといえます。

NotebookLMは汎用的な生成AIとは異なり、参照元を限定することで、比較的信頼性の高いアウトプットを得られる点が特徴です。また、生成された情報の出典も明示されるため、検証可能性という観点でも優れています。従来の生成AIでは難しかった使い方が可能になるツールであり、正しく理解すれば非常に有用性の高い一冊です。

 

【以下、引用】

信頼できる「自分だけの情報」を活かすNotebookLMの特性

NotebookLMは、汎用AIとはまったく異なるアプローチで設計されています。NotebookLMの最大の特徴は、ユーザー自身がアップロードした特定の情報源(ソース)にのみもとづいて動作する点にあります。

・情報源の限定

PDFファイル、Googleドキュメント、Googleスプレッドシート、テキストファイル、ウェブページのURL、音声ファイルなど、ユーザーが提供した情報を「唯一の情報源」として扱います。

・ハルシネーションの大幅な抑制

参照する情報が限定されているため、インターネット上の不確かな情報に影響されることなく、誤った情報を生成するリスクをきわめて低く抑えられます。

・引用元の明確化

AIの回答が、どの情報源のどの部分に基づいているのかを明示的に示してくれるため、情報の信頼性を容易に確認し、さらに深く掘り下げることができます。

・個人専用の知識データベースの構築

自分の業務マニュアル、過去の議事録、研究論文、個人的な読書メモなど、自分だけの情報資産をNotebookLMに取り込むことで、それらすべてを一元的に管理し、AIの力で効率的に検索・分析できる個人専用のデータベースを構築できます。

 

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