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2026.04.03

あいさつ

大澤賢悟です。

人にはまったくお勧めしませんが、今年も雪山歩きを楽しんでいます。

冬の平日の雪山は人が少なく、バリエーションルートに入ると、誰にも会わないことも

あります。雄大な自然を独り占めしているようで、とても贅沢な時間です。

特に雪山は、雪の白と空の青のコントラストが圧倒的に美しく、山頂でぼーっと眺めているだけで満たされます。スマホが寒さで落ちるほどの気温でも、装備をしっかり整えていれば、天候次第ではそれほど寒さは感じません。(マイナス10度、風速10mぐらいまでなら結構平気です)

広がる景色に加えて、樹氷や雪庇といった雪山ならではの造形も見応えがあります。

ただし、危険で体力的にもかなりきついので、やはり人にはお勧めしません。

 

 

消費税、免税事業者のままで大丈夫?

インボイス制度の経過措置として認められている、免税事業者からの仕入れに対する80%控除は、令和8年9月で終了します。本来は50%に下がる予定でしたが、法改正により一時的に70%控除が2年間続く見込みです。ただし、これはあくまで“延命措置”。最終的には控除はゼロになります。

では何が起こるか。シンプルです。元請け側の負担が増えるため、「免税事業者との取引はコストが高い」と判断されやすくなります。結果として、価格交渉や取引見直し、場合によっては取引停止という流れが強まっていきます。

もちろん、高齢でお小遣い程度に続けている場合であれば、無理に制度対応せず、できる範囲で続けるという選択もあります。一方で、事業として継続・成長を目指すのであれば、課税事業者への転換は避けて通れません。70%控除の間は何とかなるかもしれませんが、数年後には同じ問題に直面します。

「免税だから成り立つビジネス」から、「価値で選ばれるビジネス」へ。今回の制度変更は、その転換がすすむと捉えるべきでしょう。

 

 

鈴木農林水産大臣、頑張ってください!!

鈴木農林水産大臣が3月5日、Xに次の投稿をしました。

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花粉がキツイこの頃。私も花粉症……涙。

農林水産省では、まずは、花粉が多くなる20年生以上のスギ人工林を431万haから2割減少させます。

年間伐採面積を5万haから2033年度までに7万haまで増やし、花粉の出ない杉を植える等の対策を講じます。地道な取組ですが、少しでも進むよう努力します。

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米とか農業政策とかの応援ではなくて何なんですが、スギ花粉症、本当にきついので、ぜひともどんどん切って欲しいです。少しずつ地道な努力を行っていただくことが、結局、一番早い解決方法かもしれません。

 

 

2026年度税制改正関連法成立、国民の暮らしはどう変わる?

2026年度の税制改正関連法が、3月31日に参議院本会議で可決・成立しました。

今回の改正では、所得税が課税され始めるいわゆる「課税最低限」が、従来の160万円から178万円へ引き上げられました。これは、基礎控除と給与所得控除の合計額に基づくものです。さらに、この金額については、今後は2年に1度、直近2年間の消費者物価指数(CPI)の上昇率に連動して見直される仕組みが導入されています。

一方で、社会保険の適用基準となる収入水準や、住民税における控除額については、今回の改正では変更がありません。このため、所得税の負担は軽減されるものの、いわゆる「年収の壁」による就業調整の問題が大きく改善されるとは言い難く、労働時間の増加などには必ずしも直結しない可能性があります。

また、少額投資非課税制度(NISA)については、18歳未満を対象とした新たな制度が創設されました。年間投資上限額は60万円、非課税保有限度額は総額600万円とされています。積立資産の引き出しは原則として子どもが12歳以上となってから可能であり、かつ本人の同意が必要です。なお、この未成年向けNISA口座は、18歳到達時に自動的に成人のNISA口座へ移行する仕組みとなっています。

本制度は、かつて存在し廃止された未成年NISAの実質的な復活と位置付けられます。NISAの活用により、資産形成の支援のみならず、相続対策や金融教育の観点からも一定の効果が期待されるため、制度の趣旨を踏まえた適切な活用が重要といえるでしょう。

 

 

41日より自転車にも反則切符

4月1日から、自転車の交通違反に対して「青切符(交通反則切符)」を交付する制度が始まります。走行中の携帯電話使用、いわゆる「ながら運転」や、危険な歩道走行など、安全面に問題がある行為に対して反則金が科される仕組みです。対象は16歳以上で、違反行為は113項目、反則金は3,000円から1万2,000円とされています。期限内に納付すれば刑事罰は問われませんが、酒酔い運転など悪質なものは従来どおり赤切符の対象となります。

もっとも、違反が確認されたからといってすぐに反則金という運用ではなく、基本は指導・警告が中心とされています。制度の目的が交通ルールの浸透にあるためです。指導に従わない場合や、周囲に危険を及ぼす行為については厳格に適用されることになります。例えば、ながら運転や遮断踏切への立ち入り、ブレーキ不良の自転車の運転などは、その対象になり得ます。

歩道走行については関心が高いところですが、原則は車道走行とされつつも、車道が危険な場合には例外的に認められています。その場合でも徐行し、歩行者への配慮が前提です。歩行者に危険を及ぼすような走行でなければ、直ちに取り締まりの対象になるわけではありません。なお、ヘルメットについては引き続き努力義務にとどまっており、未着用だけで取り締まりの対象になるわけではありません。

一方で、私自身はこの運用が不透明に感じられたため、自転車を買うのを見合わせてしまいました。強制的に車道を走らなければならない場面はどうしても危険に感じますし、安全に配慮して運転していたとしても警察から何か指摘されるのではないかという不安があり、どうも積極的に乗る気になれなかったためです。そもそも道路環境の整備が十分とは言えない中で、罰則だけが先行しているようにも感じてしまいます。

近年、自転車の違反摘発件数は増加しています。ルールの明確化と安全確保という方向性自体は理解できますが、実際の運用が利用者にとって納得感のある形で浸透していくかが今後のポイントになるのではないかと思います。

 

 

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2026.03.04

『小さな会社の売れるしくみ』

久野高司(著)

フォレスト出版(2024/10/10) 1,980円

 

【感想】

個人事業主や中小企業を中心に約3,000件、200業種の支援実績を持ち、集客力向上、売上拡大、利益率改善、顧客層の最適化などをサポートしてきた著者が、中小企業向けマーケティングの本質をまとめた一冊です。

本書の特徴は、一般的なマーケティング書に見られるようなフレームワークの網羅的な解説をあえて控えている点にあります。フレームワークが登場する場合も、カタカナ用語をそのまま使うのではなく、日本語に置き換え、より平易で実践的な表現に落とし込んでいます。例えば、よく知られるSTPについても、「S(セグメンテーション)=市場を分けること」「T(ターゲティング)=分けた中のどこを狙うかを決めること」「P(ポジショニング)=独自の立ち位置を築くこと」といった具合に、直感的に理解できる形で紹介されています。

著者自身が冒頭で「最新のマーケティング理論や流行の集客手法は学べません」と明言しているとおり、本書は目新しいテクニックを提示するものではありません。いわゆるHowTo型の即効性をうたう内容ではなく、小さな会社が着実に成果を上げるための「売れる仕組み」を、平易な日本語で丁寧に解説しています。

さらに重要なのは、その「仕組み」が著者独自の奇抜な理論ではないという点です。実際には、広く一般的に活用され、効果が実証されてきたマーケティング手法を、中小企業の経営者でも理解・実践できるよう再構成したものです。言い換えれば、大企業や専門家向けに設計された理論体系を、中小企業の社長が自社で活かせる形に翻訳し直した一冊だといえます。

理論を学ぶための本というよりも、現場で使い続けるための実践書です。

 

【以下、引用】

ルール1 戦略設計 選ばれる理由が必要

一番重要な「選ばれる理由」=差別化コンセプトを作る領域のお話です。当たり前ですが、お客様は要るモノは要るし、要らないモノは要りません。要るモノであったとしても、あなたと似たような商品・サービスを売っている競合・ライバルが無数にいます。ですから、明確な「選ばれる理由」がなければSNSや営業や広告を一生懸命頑張っても選ばれる確率が大きく下がります。

ルール2 商品設計 商品体験の流れ

どれだけ素晴らしい選ばれる理由のある差別化コンセプトができたとしても、お客様が選んだり買ったりして価値を体感できる商品・サービス」に落とし込まれていなければ、お客様は買えませんよね。…お客様は、商品・サービスの価値を知りませんし、関心もありません。良く知らないものを、よく知らない人から買って失敗したくないのです。

ルール3 集客設計 購買プロセスの流れ

選ばれる理由のある素晴らしい商品があったとしても、お客様がその商品の存在を知らなければ売れません。だからこそ、お客様のココロの流れに沿って、商品を知ってから、検討・購入し、最終的にファンになっていただくような購買プロセスの流れを組み立てることが必要です。

 

 

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2026.03.04

あいさつ

大澤賢悟です。

我が家でも、1月末から2月初めにかけてインフルエンザB型が家庭内で流行しました。きっかけは末娘がこども園でもらってきたもので、あっという間に家の中に広がりました。幸い、私は発症せずに済みましたが、身近で流行を経験すると、やはり感染力の強さを実感します。

インフルエンザは例年3月末ごろまで流行が続くことが多く、今年もまだ油断はできません。新型コロナも形を変えて続いていくと思われるので、引き続き基本的な感染防止を意識しておきたいところです。対策として特別なことが必要というより、結局は基本の徹底だと感じています。マスクを着用すること、そして手をこまめに洗うこと。この2つだけでも、体感的にはかなり違います。個人的には、普段からメガネをかけていることも一定の効果があるのではないかと思っています。

これからの時期は花粉症で目がかゆくなったり、鼻がムズムズしたりしますが、ここで直接こすったり触ったりするのは要注意です。指に付着している病原体を、そのまま粘膜にこすりつけてしまうことになりかねません。かゆくても、できるだけ触らない。これも立派な感染対策の一つです。派手な対策よりも、当たり前のことを丁寧に続けることが、結果的には一番効くのだと改めて感じています。

 

 

5円玉の価値が5円を超える

金属価格の上昇が続いていますが、その影響は意外なところにも出ています。アメリカでは2025年11月に1セント硬貨の製造を終了しました。

日本は諸外国と比べて現金利用の割合がまだ高く、日常生活の中でも現金がしっかり使われています。その現金の中でも硬貨は金属で作られており、例えば10円玉は銅・亜鉛・すず、5円玉は銅・亜鉛など、複数の金属を組み合わせて作られています。

では、その金属の価格を基準に材料価値を試算するとどうなるか。10円玉は約8.1円、5円玉は約5.4円となり、なんと5円玉は材料の金額が額面の5円を上回る水準になっています。

もっとも、法律上、硬貨を原料目的で溶かしたり、つぶしたりすることは認められていませんし、実際に再利用しようとしても加工コストがかかるため、利益が出るわけではありません。それでも、額面より原価が高い状態というのは、作れば作るほどマイナスになる構造です。

こうした事情もあり、1円玉は2016年度から、5円玉は2021年度から、流通用硬貨の新規製造は行われていません(コレクター向けの製造は続いています)。

普段は何気なく使っている硬貨ですが、その裏側では金属価格や製造コストといった現実的な問題が積み重なっており、現金という仕組みそのものも少しずつ転換点に近づいているのかもしれません。

 

 

令和8年度予算案、年度内成立に向けて

令和8年2月8日の衆議院議員選挙で高市政権が大勝したことを受け、予算案は年度内に成立する可能性が出てきました。当初は、解散総選挙の影響で年度内成立は難しいのではないかと見られていましたが、国民民主党も協力姿勢を示唆しており、状況は大きく変わりつつあります。

もっとも、残された時間は決して多くありません。短期間での成立を目指す以上、大幅な修正を加えるというよりは、基本的には既に示されている税制改正大綱に沿った形で進められる可能性が高そうです。

 

 

 

見せかけの市場拡大に注意

最近、売上が伸びていることをもって「市場が拡大している」と判断する場面をよく見かけます。しかし、その伸びが本当に需要の増加によるものなのか、それとも単なるインフレによる価格上昇なのかは、冷静に切り分けて考える必要があります。

インフレの局面では、商品やサービスの単価が上がるため、販売数量が変わらなくても売上高は自然に増えていきます。帳簿上は成長しているように見えますが、実際には取引量が増えていない、つまり市場そのものが広がっているわけではないというケースも少なくありません。この状態を市場拡大と誤認すると、設備投資や人員増強といった判断を誤るリスクがあります。

見るべきは「売上金額」だけではなく、「数量」の動きです。販売数量、来店客数、契約件数といった実際の取引量がどう変化しているのかを確認して初めて、需要が本当に増えているのかが見えてきます。単価上昇による名目上の成長と、需要増による実質的な成長は、経営判断においてまったく意味が異なります。

インフレが続く時期だからこそ、数字の表面だけを見て安心するのではなく、その中身を分解して捉える姿勢がこれまで以上に重要になってきます。

 

 

過剰な期待を手放すと、AIはちょうどよい道具になる

2026年は、AIに対する“失望”という言葉が少しずつ聞かれるようになるかもしれません。ただし、これはAIが急に使えなくなるという話ではなく、これまでの過剰な期待が現実の水準に戻ってくる、というだけのことだと思います。

そもそもAIと言っても、その正体はコンピュータです。そしてコンピュータは本質的には「計算機」です。大量のデータをもとに、確率的にそれらしい答えを計算して出しているにすぎません。人間のように理解しているわけでも、意思を持って判断しているわけでもありません。この前提を外してしまうと、AIに対して過大な期待を抱いてしまいます。

文章の整理やパターン化された作業、情報の要約など、計算として処理できる領域ではAIは非常に強力です。一方で、現場の状況判断や責任を伴う意思決定、例外だらけの業務といった「計算だけでは割り切れない部分」は、簡単には置き換わりません。「エージェントがすべて自動で動く」といったイメージほど現実が進まなくても、それは失敗ではなく、計算機としての限界が見えてきただけです。

重要なのは、AIを魔法の道具のように扱うのではなく、できることとできないことを冷静に切り分けることです。これまでの業務の延長線上で、効率化できる部分にきちんと使う。その積み重ねこそが現実的な活用であり、期待の大きさではなく、使い方の確かさが成果の差になっていくのだと思います。

 

 

自身のAI活用を振り返ってみると、最も多いのは文章の草案作成や推敲、そしてアイデア出しです。次いで多いのが、検索エンジンの代替としての利用です。検索エンジン替わりに使う場合には、「○○についてインターネットを検索してまとめてください。また、出典を必ず示してください。」といった形で依頼し、いわば三次情報として整理された内容を受け取ります。そのうえで、提示された引用元の原文を自分で確認し、内容の正確性を検証します。さらに、必要に応じて複数の資料や一次情報にも当たり、情報の裏取りを行うようにしています。テーマや目的に応じて、Google検索と使い分けているというのが実情です。

これらに比べると使用頻度は高くありませんが、実務面で特に効果を感じているのが、Excelマクロの作成です。繰り返し発生する作業では、手作業で1時間ほどかかっていた処理が、前後の準備作業を含めても1分程度で完了することもあり、試してみる価値は十分にあります。 もちろん、自分でマクロの内容を理解できるのが理想ですが、比較的簡単なものであれば、入力情報と出力結果を確認するだけでも実務に耐えるケースは多く、業務効率化の有力な手段の一つだと感じています。

 

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2026.02.03

『名古屋商科大学ビジネススクール

ケースメソッドMBA実況中継 01

経営戦略とマーケティング』

牧田幸裕(著)

ディスカヴァー・トゥエンティワン(2020/3/20) 2,750円 – (現在はKindle版のみ)

 

 

【感想】

著者は経営戦略・マーケティング分野を専門とする研究者・実務家です。京都大学経済学部を卒業後、同大学大学院経済学研究科を修了。ハーバード大学経営大学院エグゼクティブ・プログラム(GCPCL)も修了しています。アクセンチュア戦略グループ、サイエント、ICGなど外資系コンサルティング企業においてディレクター、ヴァイスプレジデントを歴任し、企業の成長戦略や営業改革に携わりました。2003年に日本IBMへ移籍し、エレクトロニクス業界や消費財業界を中心にクライアント・パートナーとして活躍。複数の大学院で教育・研究に従事。実務と理論を架橋する視点から、戦略思考やマーケティングの重要性を発信し続けています。

本書は、私の母校である名古屋商科大学ビジネススクールが発刊した書籍であり、経営戦略とマーケティングの原理原則を、ケースメソッドという体験型の手法を通じて伝える一冊です。実際の授業では、この本の何倍もの緊張感があり、次に何を問われるかわからない状況の中で、頭から汗が噴き出るような思考を強いられます。正直、かなりしんどいです。一方で本書は、紙面から緊張感は伝わってくるものの、腰を据えて冷静に読むことができ、自分なりに考える余白も残されています。

本書の特徴はケースメソッドによる疑似体験にありますが、それ以上に価値があるのは、経営戦略とマーケティングにおける原理原則を徹底して扱っている点です。経営書の多くが「今すぐ使えるHow to」に傾きがちな中、本書に書かれている内容は、読んですぐに成果が出る類のものではありません。しかし、ここで示される考え方を理解し、日々の経営判断に粘り強く落とし込んでいくことで、時間をかけながらも確実に会社を強くしていく道筋が描かれています。本書の内容を日々の経営に活用してみてはいかがでしょうか?

 

【以下、引用】

3Cとは、市場、競合、自社である。その分析の手順は、「市場、競合、自社の順番で分析する」だ。

・・・・・・・

3C分析の目的は大きく分けると2つある。

ひとつは…「市場の変化に対応している競合企業を見習い、自社の改善ポイントを明らかにする」ことである。もうひとつは、「市場の変化や競合の対応を見たうえでビジネスチャンスを見つけ出し、いち早くそのチャンスをつかみ自社を成長させる」こと。言い換えれば、「自社が突き抜けるにはどうしたら良いのかを考える」ことである。

・・・・・・・

3C分析で明らかにしたいことは以下の通りだ。

1.市場の変化を明らかにし、その市場での成功要因を明らかにする

2.市場の変化と成功要因に対する競合の対応を明らかにし、競合企業の成功のキモを明らかにする

3.競合企業を見習い自社の改善ポイントを明らかにする

 

 

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2026.02.03

あいさつ

大澤賢悟です。

今年も、次男(12歳・小学6年生)、末娘(6歳・園児)と、ウインタースポーツの季節がやってきました。
今年はシーズンインのタイミングこそ暖冬で雪が少なかったものの、その後はしっかり冷え込み、スキー場も十分な雪になりました。(その影響で、私自身の登山はなかなか難儀していますが……)

この時期になると、日曜日の8割ぐらいはスキー場に向かっています。これから先は確定申告の時期。月〜土はなかなか忙しく、子どもの相手をしてあげられませんが、その分、日曜日は子どもと一緒に過ごす時間を大切にしています。

次男は、滑りもすっかり安定してきました。最近ではトリックにも挑戦しており、180をはじめ、いろいろな技の練習を楽しんでいます。滑ること自体は、正直なところ私よりもよほど上手で、一人で滑ったり、家族に混ざったりと、自由に楽しんでいるようです。

末娘は、今年からついに一人で滑れるようになりました。自分でスピードを調整し、ブレーキをかけながら、上から下まで降りてきます。まだリフトの乗り降りは付き添った方が安心ですが、来年ぐらいには、それも必要なくなるかもしれません。横で一緒に滑っていても、どこかに突っ込んでいってしまうようなことはなく、安心して見ていられるようになりました。その反面、腰にひもを付けて引っ張ることは、もうないのだと思うと、少し寂しい気もします。

数年もすれば、一緒に遊んでもらえなくなるかもしれません。だからこそ、遊んでもらえる今のうちに、できるだけたくさん一緒に遊んでもらおうと思います。

 

 

日中対立から考えるビジネスの問題は、依存関係だけではない

日中対立が硬直化し、中国からの観光客は大きく減りました。その結果、中国人観光客への依存度が高かった宿泊施設や観光地では、売上が急減したというニュースが流れています。ここで良く取り上げられるのは、「依存するビジネスモデル」の怖さです。ビジネスとして、何か一つに極端に依存する構造は、常に高リスクを抱えています。

たとえば、1社の元請けと強い関係を築ければ、営業活動は減り、仕事は安定するかもしれません。しかし、その元請けのトップが変わる、方針が変わる、業界再編が起きる。たったそれだけで、昨日までの「安定」は一瞬で「リスク」に変わります。そう考えると、中国に強く依存した観光ビジネスは、わかっていたことではありますが、非常にリスクの高い構造だったと言えます。ここまではよく言われている点です。

さらに興味深いのは、この状況にもかかわらず、「早く日中関係を改善すべきだ」という声が、以前ほど大きくなっていない点です。なぜでしょうか。背景には、国内で顕在化している外国人問題やオーバーツーリズムの存在がありそうです。観光業に携わる人にとって、観光客が増えることは直接的なメリットです。一方で、観光に直接関わらない大多数の地域住民にとってはどうでしょうか。混雑、騒音、マナー問題、生活コストの上昇。税収として間接的なメリットはあるかもしれませんが、それを「実感」できる人は多くありません。それに対し、観光公害は日常生活に直接影響します。結果として、地域住民にとっては「観光客が来なくなる方が楽だ」と感じてしまう。特に、敬遠感情の強い中国本土からの観光客が減ることを、メリットとして受け止める空気すら生まれています。

この構図は、1960年前後の重化学工業化による公害問題――水俣病やイタイイタイ病と、どこか似ています。

経済的な恩恵を直接受ける人にとっては、対策を取らない方が低コストで合理的に見える。しかし、周囲に蓄積された負担は、いずれ必ず表面化します。自社が関わっている事業が、実は周囲に多くのデメリットを生んでいないか。短期的な収益の裏で、将来のリスクを積み上げていないか。

日中対立は地政学の話ですが、そこから見えてくるのは、経営における「依存」と「持続性」の問題です。環境が変わってから慌てるのではなく、平時に構造を見直す。それができるかどうかで、数年後の景色は大きく変わります。ぜひとも自社のビジネスモデルを確認してみてください。

 

 

消費税減税は、本当に合理的な判断か?

2026年の衆議院議員選挙では各政党が掲げる消費税減税。本当に、それは合理的な判断なのでしょうか。

以前、高市総理は「レジシステムの変更に時間と費用がかかる」と説明していました。これは事実です。仮に、消費税を恒久的に廃止するのであれば、まだ議論の余地はあります。しかし「2年間限定」「生鮮食品など一部商品のみ0%」となると話は別です。2年後には元に戻す。そのタイミングで、レジ、会計システム、請求書、インボイス制度まで再変更が必要になります。現場は確実に混乱し、相当なコストが発生する。そこまでして、得られる効果はどの程度なのでしょうか。

実際に、物価が10%下がった場合の行動変化を1000人以上に直接アンケートしたことがあります。結果はどうだったか。「買い物を増やす」と答えた人は5%以下。大半は「行動は変わらない」という回答でした。少なくとも、爆発的な消費喚起は期待できそうにありません。

では、家計への影響はどうでしょうか。消費税を生鮮食品のみ0%にした場合、統計局の家計調査(2人以上世帯・平均4.3人)を基に試算すると、1世帯あたりの恩恵は年間4万円未満です。2年間でも、合計8万円に届きません。それなら、毎年1万円ずつ公金口座に振り込む方が、よほど低コストで、同じ効果が得られるのではないかと思います。――もっとも、こちらの方が票は集まらないでしょうが。

ちなみに、ガソリン税の減税効果も、試算してみると1世帯あたり月1,000円未満になります。「インパクトのある言葉」と「実際の数字」には、しばしば大きな乖離があります。

これは政治の話ですが、本質は経営判断と同じです。数字を見たうえで費用対効果として見合うので行う。感情や空気ではなく、コストと効果を冷静に見極める。その癖を持っているかどうかで、無駄な行動が減ります。少なくとも机上で効果がない行為は控えた方が無難です。

 

 

国内物流の世界にもコンテナ革命が!

「コンテナ」と聞いて、何を思い浮かべるでしょうか。港に積み上がる鉄の箱。無機質で、目立たない存在。けれど、この“箱”こそが、世界の物流を根底から変えました。1950年代、港湾にコンテナが導入される以前、荷物は人の手で一つひとつ積み替えられていました。時間もコストもかかり、港は常に混雑していた。そこに現れたのが、サイズと扱い方を統一したコンテナです。荷役は一気に機械化され、船は大型化し、港の役割そのものが変わっていきました。重要なのは、これは「輸送技術の進化」ではなく、標準化による全体最適の革命だったという点です。

この構図、実は今、国内物流でも起きています。日用品卸大手3社(花王、PLATAC、あらた)が進める、スマートボックスと呼ばれる納入コンテナの統一。これまで各社は、自社仕様の箱を使い、小売店ごとに回収していました。結果、トラックはスカスカで走り、小売店は仕分けに追われる。誰も得をしていないのに、長年それが「当たり前」だった。そこで3社は発想を変えます。箱を揃え、回収をまとめ、仕組みを共有する。その結果、回収トラックは3割減り、CO2排出量も25%削減できる見込みになりました。

ここで注目したいのは、「競争をやめた」ことです。港湾のコンテナ革命も、企業の個性を競う話ではありませんでした。共通ルールを作り、全体を強くする。今回の国内物流改革も、まったく同じ発想です。さらに日用品業界では、商品データそのものの標準化まで進めています。箱だけでなく、情報も揃える。これは、コンテナ革命の“考え方”が、形を変えて生き続けている証拠でしょう。

ここから得られる教訓はシンプルです。成功したビジネスは、時代も業界も超えて真似できる。もちろん、近年のトラック輸送の人手不足やIoTの発展など、環境変化によって「今だからこそ、このやり方が効果的になった」という背景はあります。しかし、自社の常識を疑い、他業界の改革を分解し、自分の商売に当てはめる。コンテナは港に置かれた箱ですが、その本質は「考え方」です。その考え方を持ち帰れるかどうかで、ビジネスの景色は大きく変わります。このように大きな変化でなくても良いので、他社の成功事例を自社に取り入れてみませんか?

 

 

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