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2026.01.07

『シン読解力:学力と人生を決めるもうひとつの読み方』

新井紀子(著)

東洋経済新報社 (2025/2/11) 1,980円

 

【感想】

新井紀子さんは、日本を代表する数学者であり、AIと教育の関係に警鐘を鳴らし続けてきた研究者です。数理論理学を専門とし、国立情報学研究所教授として最先端の人工知能研究を牽引してきました。一部の人には東大合格を目指すAI「東ロボくん」プロジェクトの責任者として有名かもしれません。その成果は「AIは何ができ、何ができないのか」を社会に明確に示しました。その過程で彼女が突き当たったのは、AIの限界ではなく、人間の読解力低下という現実でした。計算や暗記ではAIに勝てない時代に、人間は何を学ぶべきなのか。本書は、データと実証に基づき、教育と社会の根本を問い直す一冊です。

仕事や学校で「読めばわかる」とよく言われますが、本書が突きつける現実は真逆です。読んでも、わかっていない。しかも、そのことに自分自身が気づいていない。 この事実が、データと具体例によってこれでもかと示されます。著者は、東大合格を目指すAI「東ロボくん」の研究を通じて、AIの限界よりも人間側の読解力の脆さに直面しました。文章を読んでいる“つもり”でも、条件を落とし、文脈を取り違え、意味を勝手に補ってしまう。計算や暗記はできても、問題文の意味そのものは理解できていない――これは子どもだけでなく、大人にも当てはまります。

この読解不全は、教育現場に限りません。マニュアルを読んだのにミスが起きる。契約書を読んだのに認識がズレる。議事録を共有しても話が噛み合わない。こうした「静かな事故」の背景には、文章を正確に読む力が前提として共有されていない現実があります。さらに重要なのは、AIを活用するには、AIの出す答えをきちんと理解する能力が必要だという点です。 出力を読めなければ、AIは便利な道具ではなく、誤解を量産する装置になりかねません。

 

【以下、引用】

生成AIを相棒として生産性を向上させようと思ったら、少なくとも生成AIの出力を読み、それを裏付ける資料や文章を読みこなす能力は必須になります。・・・それらを自力で読み解くことができないと、生成AIを使うことで生産性がかえって下がる懸念さえあります。

・・・・・・・・・

Q 次の文を読みなさい

資金が不足している経済主体と、資金に余裕がある経済主体との間で資金を貸し借りするのが金融である。金融は資金の貸し手と借り手が直接に資金を融通しあう直接金融と、銀行などの金融機関を介して資金の貸し借りを行う間接金融に大別される。

直接金融を利用している主体(人や会社)として当てはまるものを以下の選択肢からすべて選びなさい。

①A銀行に預金している中学生

②祖父母からお年玉をもらったBさん

③C銀行に勤めている人

④D大学から奨学金を借りた人

 

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2026.01.07

あいさつ

大澤賢悟です。新年、あけましておめでとうございます。本年もどうぞよろしくお願いいたします。「一年の計は元旦にあり」と言われるように、年の始まりは、これからの一年をどのように歩むかを考える大切な節目です。会社においても、今後一年間をどのような戦略で進んでいくのかを、このタイミングでしっかりと定める必要があります。

弊社では毎年、経営計画書を作成していますが、その中では向こう一年間の重点テーマを明確にしています。弊社の向こう一年間の重点テーマは、「重要だが緊急でない領域の強化」です。今年は、「重要だが緊急ではない領域」への投資を優先し、サービスのR&D(ブラッシュアップ)と広告宣伝(マーケティング)を事業戦略の中心に据えて取り組みます。

【R&D】

既存のPDCAサイクル(C:財務、P:コーチング、C・P:ビジネスモデルキャンバス)を基盤としながら、より価値の高いサービスへ進化させることを目指す。特に、コーチング分野では「計画が実行されにくい」という課題が必要である。併せて、ビジネスモデルやマーケティング効果を俯瞰的に把握できるようフレームワークと連携し、サービス全体の価値向上につなげる。市場調査については、Googleの各種サービスを活用し、データに基づいた分析と改善を継続する。

【広告宣伝】

複数のSNSを通じて、情報発信を強化する。また、一般層の興味を引く記事や書籍の制作にも取り組み、認知拡大を図る。さらに、Googleを活用したHPアクセス解析を行い、実際のデータに基づく効果的なマーケティング施策を計画・実行する。

【AI・自動化の活用】

R&Dやマーケティング活動を支える基盤として、AIを積極的に活用する。ノーコードツールとAI技術を組み合わせ、業務の自動化を推進するとともに、これらの技術を将来的に自社サービスの一部として体系化することも視野に入れる。Googleのサービスやシステムも活用し、効率性と品質を兼ね備えたサービス提供体制の構築を目指す。

【外部連携の強化】

関連士業との関係構築については、本年も継続して強化を図る。また、保険会社や金融機関など、周辺専門家との協業可能性についても検討し、提案活動を進めていく。

日々の業務に追われると、どうしてもこのような業務は先送りになりがちです。あえて明示することで、やらないといけないと追い込んでみました。1年、頑張ります。

 

今年も税制大綱が発表されました。詳細な内容については別紙に譲りますが、故安倍元首相の路線を受け継ぎつつ、高市総理の積極的な政策姿勢が随所に感じられる内容となっています。足元では日経平均株価も上昇を続けており、市場には明るいムードが広がっているようにも見えます。しかし、実体経済の裏付けが伴わなければ、それは単なるバブルに過ぎません。では、この流れは一過性のものなのか、それとも本物の成長へとつながっていくのでしょうか。さて、1年後の日本経済、そして私たちを取り巻く環境は、どのような姿になっているでしょうか。

 

 

10人に1人は相続税の対象者

弊社では、日頃から相続に関するご相談や申告業務を数多く取り扱っていますが、そうした実務感覚とも重なる興味深い記事が、日経新聞に掲載されていました。2024年に亡くなった方のうち、相続税の課税対象となった割合が10.4%と、初めて「1割」を超えたという内容です。数字だけを見ると、もはや相続税は「一部の富裕層の話」とは言えなくなってきています。

背景にあるのは、2015年の基礎控除引き下げに加え、地価の上昇、そして少子高齢化による相続人の減少です。財産総額が同じでも、受け取る人数が少なければ、課税ラインを超えやすくなります。制度と社会構造の変化が、静かに相続税の裾野を広げています。

実際、相続財産の内訳を見ると、現金・預貯金と土地が大きな割合を占めており、「普通にまじめに生きてきた結果」が、そのまま課税対象になっている印象も受けます。一方で、調査件数や追徴税額も過去最多となっており(実地調査と簡易な接触を合わせた調査件数は3万1481件、実地調査による追徴税額は824億円と過去10年で最多)、無申告や海外資産の申告漏れに対する目も、明らかに厳しくなっています。

現金を自宅に隠した脱税では重加算税まで課されるケースもあります。「知らなかった」「相談しなかった」では済まされない時代に入っている、というメッセージを、国税庁があえて数字で示してきた、とも言えるでしょう。

 

 

 

ホワイトカラーだけではない——AIロボが広げる現場レベルの雇用転換

AIの話がいよいよ「画面の中」だけのものではなくなってきています。その象徴的な例が、日立製作所によるヒト型AIロボットの自社工場導入です。

これまでAIというと、事務作業の効率化や資料作成、データ分析など、どちらかといえばパソコンの中の仕事を置き換える存在として語られることが多かったように思います。しかし日立の取り組みを見ると、AIはすでに工場の現場に入り込み、人間の動作を学習し、配線作業などの物理的な工程まで担おうとしています。しかも、生産ラインを大きく変えずに導入できるという点は、「一部の実験」ではなく、現実的な選択肢として検討されていることを示しています。現時点での目的は人手不足対策でしょう。ただ、この流れは本当にそれだけで終わるのでしょうか。

というのも、KPMGインターナショナルの調査で、日本の経営者の18%がAI対応による人員削減を「1年以内に計画している」と回答しています。さらに、「AIによる雇用への影響は最小限」と答えた経営者はゼロでした。

多くの経営者が、AIは単なる補助ツールではなく、人員配置そのものを見直す前提になりつつあると考えていることがうかがえます。

これまで人員削減の話は、事務職やホワイトカラーを中心に語られることが多くありました。ところが、ヒト型ロボットが現場作業を担えるようになれば、削減の対象はパソコンの前に座る人だけにとどまらなくなります。最初は人手不足を補う存在として導入され、やがて「人がいなくても回る工程」が増えていく。その結果、現実世界の職場でも、静かに人員削減が進んでいく可能性があります。

AIやロボットは、ある日突然仕事を奪うわけではありません。まずは「助ける存在」として入り込み、気づけば「人がいなくても成り立つ状態」を作り出す。日立の事例は、その変化がすでに現場レベルで始まっていることを示しているように思えます。

 

アメリカがベネズエラに対して電撃的な軍事行動に踏み切りました。ロシア・ウクライナ戦争は長期化し、パレスチナ・イスラエル戦争も出口が見えないままです。中国は軍事活動を一段と活発化させました。日本はアメリカの要望もあり、防衛費が増加していますが、今後、戦争に巻き込まれていくのでしょうか?

 

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2025.12.01

『稲盛和夫の実学 新装版 経営と会計』

稲盛和夫(著)

日経ビジネス人文庫(2025/10/3) 990円

 

【感想】

商売人なら知らない人はいない「経営の神様」、稲盛和夫氏の著書です。京セラとKDDIを創業し、一代で世界的企業へと成長させた日本を代表する実業家です。経営の根幹には「利他の心」「動機善なりや」という哲学があり、人間として正しいことを貫く姿勢は多くの経営者に影響を与えてきました。また、経営破綻した日本航空(JAL)の再建を無報酬で引き受け、わずか2年で黒字化させた手腕は世界的にも注目されました。著書『生き方』『アメーバ経営』は今なお読み継がれ、人生観と経営観の両面で指針を示し続けています。本書は、そんな稲盛和夫氏の経営と会計に関する考えがギュッと詰まった一冊です。もし要点を一言で表すなら、まさに帯に書かれている「会計がわからんで、経営ができるか!」に尽きます。本書は貸借対照表や損益計算書の読み方を解説する会計の教科書ではありません。むしろ、稲盛氏が“会社の数字”をどのように捉え、どのように経営に活かしてきたのかという「経営者のための会計思想」が語られています。稲盛氏は、数字は会社の状態を正直に映し出す鏡だと説きます。しかし、その数字は一見具体的に見えて、実は会社の膨大な情報をぎゅっと圧縮した非常に抽象的なものでもあります。社員の動き、現場の空気、取引先との関係、設備の稼働状況……こうした膨大な具体的事実を、私たちは細かいまま全て把握することはできません。だからこそ、会計という道具を使って、抽象化された「数字」という形で全体をつかむ。経営とは、この抽象化された数字を読み解き、未来に向けた判断をしていく営みだと強調します。本書が優れているのは、会計を単なる記録ではなく“経営の武器”として扱っている点です。数字の裏にある現場の実態や経営者の姿勢までを見ることが重要であり、曖昧な数字は必ず経営判断を狂わせる——そんな稲盛哲学が随所に込められています。

 

 

【以下、引用】

われわれを取り巻く世界は、一見複雑に見えるが、本来原理原則にもとづいたシンプルなものが投影されて複雑に映し出されているものでしかない。これは企業経営でも同じである。会計の分野では、複雑そうに見える会社経営の実態を数字によって極めて単純に表現することによって、その本当の姿を映し出そうとしている。

もし、経営を飛行機の操縦に例えるならば、会計データは経営のコックピットにある計器盤に現れる数字に相当する。計器は経営者たる機長に、刻々と変わる機体の高度、速度、姿勢、方向を正確かつ即時に示すことができなくてはならない。そのような計器盤がなければ、今どこを飛んでいるのかわからないわけだから、まとまな操縦などできるはずがない。

だから、会計というものは、経営の結果をあとから追いかけるだけのものであってはならない。いかに正確な決算処理がなされたとしても、遅すぎては何の手も打てなくなる。会計データは現在の経営状態をシンプルにまたリアルタイムで伝えるものでなければ、経営者にとっては何の意味もないのである。

そのためには、経営者自身がまず会計というものをよく理解しなければならない。計器盤に表示される数字の意味するところを手に取るように理解できるようにならなければ、本当の経営者とは言えない。経理が準備する決算書を見て、たとえば伸び悩む収益のうめき声や、やせた自己資本が泣いている声を聞きとれる経営者にならなければならないのである。

 

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2025.12.01

あいさつ

大澤賢悟です。先日、子供たちと一緒にモリコロパークのスケート場へ行ってきました。スケートなんて最後に行ったのは10年以上前。正直、「いつだったっけ?」と思い出せないほど久しぶりです。リンクの入り口には、ヘルメットとプロテクターの貸し出しコーナーがあり、まずは子供たちに装備をつけて先に滑りに行かせました。すると目の前に一枚の紙。

「大人こそヘルメットを!」

たしかに久しぶりのスケートですし、頭は守らないとなぁ……とヘルメットを手に取りました。ただ周りを見ると——大人は誰もヘルメットを着けていない。「恥ずかしい」とか「見た目が…」とか、そういうことなんでしょうか。私はというと、そういう見栄はゼロなので、迷わず装着。いざ、10年ぶりの氷の上へ。めちゃくちゃ怖いですね。氷ってこんなにつるつるでしたっけ?初めの数周はとにかく慎重に、そろそろ〜っと滑り続けました。そして何周かしたその瞬間——思いっきり転びました。派手に。ものすごい音を立てて。ぱかーーんと。近くにいた見知らぬ女性が、スタッフかと思うくらい急いで駆け寄って「大丈夫ですか!?」と声をかけてくれるほど。頭を氷にガツンと打ちつけていました。……でも、ヘルメットが守ってくれました。もし着けていなかったら、救急車を呼んでたかもしれません。腰もかなり痛めましたが、それ以上に「ヘルメット、偉大すぎる」と実感。周りの目を気にしてやらないより、やるべきことはちゃんとやった方がいいですね。ちなみに、公園で子供とインラインスケートをするときも、私はプロテクターとヘルメットをフル装備で滑っています。怪我したら楽しめませんからね。

 

今年もふるさと納税でお得に節税!

いよいよ12月に入り、本格的に年末を感じるようになりました。この時期になると毎年話題に上がるのが「ふるさと納税」。今年もいよいよ今月が最後のチャンスです。制度変更でポイントが付かなくなったとはいえ、自己負担2,000円で返礼品がもらえる仕組みそのものは変わっていません。どうせ買う日用品や食材などを返礼品として選べば、まだまだ十分に“得”な制度ですし、うまく使えば家計の助けにもなります。 ただ、ここで注意しておきたいのが、張り切りすぎると本当に寄付になるということです。ふるさと納税は上限額が決まっていて、その範囲内だからこそ「実質2,000円」で済む。ところが年末で盛り上がって気が大きくなり、「あれもこれも」と申し込んでいくと、気付けば上限を超えてしまい、寄付した分が控除されない……という悲しい結末になってしまいます。とくに自営業の方は上限が最後まではっきりしないので、余裕を持ちながら調整しておくのがおすすめです。

そしてもうひとつ、意外と盲点なのが「ふるさと納税の話は年収をバラす」という点です。ふるさと納税の上限額は、年収から計算できる仕組みになっています。つまり、「今年は12万円分やったよ」と軽い気持ちで話してしまうと、聞いている相手は「この人はこのぐらいの年収だな……」と推測できてしまうわけです。ちなみに「○○をもらいました」も、お米とか水とか、それほど高くないものを1つ2つ話す程度なら良いですが、高額なものだったり、もらったものを全部伝えてしまうのもタブー。おおむね金額が想定できてしまいます。会話で、無意識のうちに踏み込んだ情報を渡してしまっている可能性もあるので、具体的な金額の話は控えめのほうが安心です。

ふるさと納税はやれば確実にできる節税です。積極的に活用してください。

 

 

今年の冬はもしかしたら“大雪”になるかもしれない、そんな発表がありました。原因として言われているのが「極渦(きょくうず)」と呼ばれる、北極上空の成層圏にある巨大な寒気の渦です。本来この極渦は、強いときは寒気を北極の中に閉じ込める力があります。しかし今年はその極渦が弱まってきており、閉じ込められていた寒気が蛇行しながら南へ流れ込みやすくなる可能性があるとのことです。その結果、普段よりも寒波が南に降りてきて、日本でも大雪を降らせるかもしれない、というわけです。夏は記録的な暑さで「こんなに暑いのか…」と驚いたばかりなのに、今度は冬に向けて「大雪&厳しい寒さ」が来るかもしれません。気温の振れ幅が年々極端になってきているようにも感じます。暖房の準備やスタッドレスタイヤなど、早めに冬支度をしておいた方が良さそうですね。

 

 

家計が1,000/月、楽になる!・・・って政策、どう思います?

もし政府から「月1,000円、家庭が楽になります!」と言われたら、みなさんどうでしょうか?おそらく、多くの家庭では「え、それだけ?」という反応になるんじゃないかと思います。実は、ガソリンの暫定税率を廃止するという話も、聞こえだけは大きいのですが、実際どれほど家計に影響があるか元の数字を見てみると、思ったほどのインパクトはありません。たとえば令和4年のデータを見ると、1世帯あたりのガソリン年間利用額は約6.8万円。これを1Lあたり170円で計算すると、年間400L使っている計算になります。では暫定税率(消費税込み27.5円/L)を廃止するとどれくらい安くなるのか。答えは年間約11,000円ほど。つまり、月にすると1,000円にも満たない程度です。「ガソリン税がなくなると家計が助かる!」と言われている割には、数字にすると実はそこまで劇的ではありません。むしろ、携帯電話を3大キャリアからMVNOに変えた方が、何倍も節約効果が出るぐらいです。さらに言えば、暫定税率が廃止されると、それに伴って今出ているガソリンの補助金も無くなるため、国民の実質負担は以降タイミングでは変わらない可能性があります。しかも今は、暫定税率に代わる新しい税金を作ろうという議論まで出ていますから、結局のところ家計にとってマイナスになるかもしれません。政策の発表はどうしても大きく聞こえますが、こういうときこそ元のデータに戻って、「実際にどれくらいのインパクトがあるのか?」を冷静に見ておきたいですね。言葉の勢いや雰囲気に流されず、しっかり数字で考えることが大事だなぁと改めて感じます。

 

 

飲み屋レシートのインボイス番号が増えた気がする

あくまで個人的な感覚ですが、最近、経理をしていて感じるのは、飲食店のレシートや領収書にインボイス番号が記載されているケースが明らかに増えてきたということです。会社の飲み会などで利用される際に、「インボイス番号がないお店は経費で処理しづらい」という理由もあるのかもしれません。とはいえ、インボイス番号を付けていない飲食店というのは、ある意味で「税務調査候補です」と自らアピールしているようなものだとも感じます。実際、そうした店舗を対象に税務調査が行われたのではないか、と想像しています。

お店の規模や単価にもよりますが、ある程度の立地で営業していれば、年間売上が1,000万円を超えるケースは珍しくありません。原則として、売上が1,000万円を超える事業者は消費税の課税事業者となり、消費税を申告・納付する義務があります。そう考えると、インボイス登録をすることにはメリットがあり、登録しない理由はあまり見当たりません。あえて登録していないとなると、「なぜだろう?」と疑問を持たれても仕方がないでしょう。

なお、税務署は非常に多くのデータを保有しています。店舗の客単価・席数・回転率・立地条件などから、おおよその売上規模を容易に推定できるため、数字の不自然さはすぐに把握されます。

 

 

やればできる品川区

これまでふるさと納税の返礼品競争には距離を置き、「うちは参加しない」という姿勢だった品川区が、ここにきて動きました。2025年度の寄附見込み額は2.7億円。前年比16倍です。同じく品川区からの流出額である59.6億円と比べれば、遠い金額です。それでも、これまで積極的に取り組んでこなかった自治体がこれだけ伸ばした、という事実そのものに価値があります。今回の成果の背景には、操縦体験やeスポーツといった独自の返礼品である体験コンテンツの充実にあると考えられています。つまり「他と同じことをやる」のではなく、自分たちの持つ強みやコンテンツを見つめ直し、それを磨いて返礼品として出した結果、全国の寄附者の関心をつかんだということです。地域も企業も同じで、「何がうちの強みか?」を丁寧に見つめ直し、それを価値として伝えられれば結果はついてくるという良い例だなと感じます。

 

 

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2025.11.11

月末、銀行の通帳を見て「よし、今月も残高はプラスだ」と一息つく。経営者なら誰しも経験がある光景ではないでしょうか。しかし、後から税理士が作成した試算表(会社の成績表のようなもの)を見て、「あれ?利益は赤字になっている…」と首をかしげたことはありませんか?

手元のお金(銀行残高)と帳簿上の利益が一致しない。この「ズレ」こそが、会社の健康状態を教えてくれる重要なサインです。会計に苦手意識がある方でも大丈夫。今日はこのズレの意味を解き明かし、明日からの経営判断に活かす方法をお伝えします。

なぜズレは起きる?犯人は「取引のタイムラグ」

結論から言うと、このズレの主な原因は、会計のルールである「発生主義」にあります。
発生主義とは、ざっくり言うと「お金が動いたタイミング」ではなく、「取引が確定したタイミング」で売上や費用を記録するルールのことです。

ピンと来ないかもしれませんね。町の小さな部品工場を例に考えてみましょう。

  • 3月10日: 得意先A社に部品100万円分を納品した。

  • 5月31日: A社から部品代100万円が振り込まれた。

この場合、会計帳簿(損益計算書)には、3月の売上として100万円が記録されます。しかし、実際に銀行口座の残高が増えるのは5月31日です。つまり、3月と4月の間、帳簿上は100万円の売上があるのに、通帳の残高は1円も増えていない、という状況が生まれるのです。これが「ズレ」の正体です。

仕入れも同じです。4月に仕入れた材料費50万円の支払いが6月末なら、帳簿上は4月の費用として計上されますが、お金が減るのは6月。このように、売上の入金や経費の支払いに時間差(タイムラグ)があることで、手元のお金と帳簿上の数字はズレていくのです。

「ズレ」から会社の健康状態を読み解く方法

この「ズレ」は、ただ気持ちが悪いだけではありません。放置すると、いわゆる「黒字倒産」という最悪の事態を招きかねない、危険なサインでもあります。だからこそ、私たちはこのズレから会社の状態を読み解く必要があります。

ここで見ていただきたいのが、貸借対照表の**「売掛金」**という項目です。売掛金とは、先ほどの例で言う「A社から後でもらえる100万円」のこと。つまり、まだ現金化されていない売上です。

例えば、あなたの会社の年間売上が1,200万円だとします。そして、貸借対照表の売掛金が常に200万円前後あるとしましょう。これを簡単な計算式に当てはめてみます。

売掛金回転期間 = 売掛金 ÷ (年間売上 ÷ 12ヶ月)
2ヶ月 = 200万円 ÷ (1,200万円 ÷ 12ヶ月)

この「2ヶ月」という数字が何を意味するか。
これは、「あなたの会社は、商品を納品してから現金を手にするまでに、平均して2ヶ月かかっていますよ」ということを示しています。

この2ヶ月間、従業員の給料や家賃、仕入代金の支払いは待ってくれません。損益計算書で利益が出ていても、この2ヶ月を乗り切る現金が手元になければ、支払いが滞ってしまいます。これが黒字倒産のメカニズムです。

自分の会社の売掛金回転期間が、業界の平均と比べて長すぎないか?取引先との入金サイトを見直す必要はないか?この「ズレ」の数字は、そうした具体的な経営改善のアクションを考えるきっかけを与えてくれるのです。

銀行と税務署は「ズレ」をこう見ている

このズレを正しく把握し、説明できることは、金融機関や税務署との付き合いにおいても非常に重要です。

銀行に融資を申し込むと、決算書の提出を求められます。銀行の担当者は、損益計算書の利益額だけを見ているわけではありません。「なぜこれだけ利益が出ているのに、預金残高が増えていないのですか?」と必ず質問してきます。この時、「売掛金の回収に時間がかかっていまして…」と数字の裏付けをもってきちんと説明できる経営者は、資金繰りをしっかり管理できていると評価され、信頼を得られます。

一方、税務調査では、調査官はあなたの会社の預金通帳と会計帳簿を徹底的に照合します。説明のつかない入金があれば「売上を隠していませんか?」と疑われ、理由の不明な出金があれば「架空の経費ではないですか?」と追及されます。日々の記帳を正確に行い、残高のズレを常に把握しておくことが、いざという時に会社を守る盾になるのです。

通帳の残高だけを見て一喜一憂するのは、もうやめにしませんか。
月に一度で構いません。試算表と預金通帳を並べて、その「ズレ」と向き合ってみてください。そこに、あなたの会社をより強く、たくましく成長させるためのヒントが隠されているはずです。

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