『実践生成AIの教科書
実績豊富な活用事例とノウハウで学ぶ』
リックテレコム(2024/3/29) 2,420円
【感想】
日立製作所グループの、データサイエンティスト、AI研究者をはじめ、IT、セキュリティ、法務、品質保証、知的財産などの各分野のスペシャリストによるCoE(Center of Excellence)組織が総力を結集し、その知見を凝縮。日立製作所におけるGenerative AIの実績、活用事例、ノウハウを惜しみなく公開した書籍です。
本書の特徴として、実践に基づく洞察が多数盛り込まれています。日本を代表する大企業である日立製作所が、Generative AIを実際に活用した結果をもとに、効果的な手法と戦略を詳細に解説しています。内容は体系的にアプローチされており、各適用例について、適切な命令文(プロンプト)とその結果を明示しています。さらに、削減効果と難易度の2軸で整理し、企業がGenerative AIを導入する際の優先順位付けを支援しています。
企業における多様なケーススタディを提供し、どこから、どのように着手すべきかを明確に指南しています。実用的なプロンプト集としても活用でき、実際に使用された命令文を、コンパクトかつ効果的にまとめて収録しています。複雑な作業については、AIとの段階的なやり取りを解説しているため、ステップバイステップで理解できます。
Generative AIを事業に活用しようとする会社にとっては、貴重な指針となると考えます。
【以下、引用】
業務での適用箇所
… ここでは、実際にどのように生成A I を用いて業務効率化ができるのかを簡単
にご紹介します。
・公開文書や社内文書の要約
・英語ドキュメントの翻訳
・資料草案の作成
・社内チャットボットとしての活用
・アイデア出し( ブレインストーミングの相手、壁打ち)
・検索エンジンとしての利用
・表計算ソフトの関数の作成
・プログラミング業務の支援
…C
h a t G P T が登場して以降、日立グループ内で数百件のユースケースを検証
し、効果検証まで完了しました。その後も社員によるC h a t G P T の実務利用と
ともにさらに数多くのユースケースが蓄積されています。
ここで企業がまず取り組むべきものは… 実現難易度が低く、期待される削減時
間が大きい、つまりコストパフォーマンスが高いユースケースです。