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2022.08.18
中古車販売業の資金繰りのポイントとは

◆中古車販売業は多くの資金が必要

中古車販売業は、他の業種に比べて在庫を保有するために多くの費用が必要となる業種です。 また販売する商品は、整備や修理等が必要であり、そのためには大きな機械が必要なため、設備投資にも資金がかかります。

個人に向けた小売りでは、お客様を集めるために多数の在庫を展示することが多くみられます。 しかし、これらの在庫は時の経過とともに価値が減少することが一般的であり、 継続してユーザーニーズに合わせた仕入が必要となります。 また、ユーザーから車両仕入れの依頼がある場合もあり、機会損失を出さないためにも 定常的に多くの資金を保有しておくことが必要です。

このように常に資金繰りを意識する必要がある業種であるため、金融機関との関係性はとても重要です。

 

◆銀行との信頼関係を高める

このように中古車販売業は多くの資金が必要な業種であることは金融機関も十分に理解していますので、運転資金や設備投資資金などが比較的借りやすい業種になります。 しかし、どのような会社でも、すぐに資金を融資してもらえるわけではありません。

金融機関からなるべく良い条件(必要な資金を、なるべく早く、低利率)で融資してもらうためには、金融機関との信頼関係を高めることが重要です。 「銀行さんは、晴れの日に傘を貸して、雨の日に取り上げる」と言われますが、それは、金融機関との信頼関係がないことが最大の理由です。

金融機関との信頼関係は、財務諸表の数字、経営者の姿勢、資金の使用状況、返済実績、取引振りなどを通じて高めていきます。 全く利益が出ていないのに、新規開拓や営業努力が見られない期間が何年も続けば、金融機関としては信頼することができません。 他にも、資金を事業以外へ流用している、約束が守られない、利率だけでころころ借入先が変わる等があると信頼関係は崩れます。

金融機関はお金を貸し、貸した先の業績を好転させ、利息を払ってもらい利益を得る営利企業です。 返してもらえる当てがない、利息が払ってもらえない、そんな会社に資金を融資することはできません。 「あの自動車会社、ただで車くれないんだぜ、ケチだな!」とは言いませんよね。 「あの銀行、返せる確率が低い金、貸してくれないんだ、ケチだな!」と言っていませんか?

 

◆支払利息は必要経費

中古車販売業は多くの資金が必要であり、自社保有でない車両の注文が入った場合、「つなぎ資金」を入れておきたいと考えることも珍しくありません。 そんな時、今までに取引したことのない会社に、お金を貸して!と言っても、そんな簡単には貸してもらえません。 融資のための審査にかなりの時間がかかります。

しかし、急に大きな仕事が入ったり、急な支払いがあったり、そんなつなぎ資金が必要となったときのため、 常日頃から、金融機関とのお付き合いをしておくことをお勧めします。 運転資金や設備資金などで長期の借り入れがあれば、そのままの状況で金融機関とのお付き合いができています。

しかし、もしすべて返済してしまいそうなら、返済満了に合わせて、お付き合いで少ない金額を長期で借りることをお勧めしています。 返済満了から次の借り入れまでが1~2か月程度なら、あまり問題になりませんが、半年、1年と空いてしまうと、 次の借入時には、もう一度、審査が必要となります。 その場合、融資に時間がかかってしまう場合があります。

300万円の借入を5年返済、年利1%なら、年間利息は3万円未満です。 もちろん財務状態や資金の使用状況など、金融機関が当たり前に必要とする環境づくりは必要ですが、 年3万円(30%の税金なら負担額は2.1万円)で融資が受けやすくなるのなら 必要経費と割り切ってみてはどうでしょう? ちょっとした接待交際費と考えれば、多くはないと思います。

◆財務体質を改善し実質無借金を!

資金繰りを良くするうえで、金融機関の信頼を得ることはとても重要です。 そして、そのためにまず行う財務状態の改善は、そのまま良い財務体質を作り上げることと同じです。 どのような財務状態を作りたいのか、明確な目的を定めて戦略的に行うことがとても重要です。

基本的な目安として、預貯金が総資産の30%以上、自己資本比率30%以上という指標があります。 運転資金に使える現金・預金を合わせた合計が、全資産(現金・預金含む)の総額の30%以上というのが「預貯金が総資産の30%以上」になります。 また、純資産の部という資本金やこれまでの利益の合計が、全資産の総額の30%以上というのが「自己資本比率30%以上」になります。 この数字が絶対というわけではありませんが、一応の目安となります。

なお、純資産の部がマイナスになる債務超過は資金を考えるうえで、様々な点で問題が生じますので、債務超過となっている場合、まずは純資産の部をプラスにすることが重要です。

中古車販売業の場合には、先に述べた通り、金融機関との取引をなくしてしまうと仕入の融資をすぐに得たいときや、景気後退にともない一時的な運転資金の融資を受けたいときなどに困ることがあります。 そのため、全ての借金を返済しきる無借金経営ではなく実質無借金経営を目指すことが望ましくなります。実質無借金経営とは、「現預金の総額 > 借入金の総額」となっている状況です。