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2022.08.17
中古車販売業が経営問題を確認する理由とは

◆中古車販売業とは

中古車販売業は一部の大規模なチェーン店から小規模・零細企業まで幅広い事業者があります。 中古車関連の専業事業を行っている事業者もいますが、一般的には、個人からの買取、個人への販売、オークション関係の取引、車検、板金、保険等幅広く、 中古車関連の窓口として総合的に活動する事業者が多くなっています。

しかし、窓口として活動するものの、小規模・零細企業では自社ですべて賄うことが困難なため、 中古車販売をしているが在庫を持たない経営を行ったり、板金はすべて外注に出すなど、環境や技術に応じた細分化がみられます。

商品単価が高いため、取引1件当たりの売買価格が100万円を超えてくることは珍しくなく、車種によっては数百万円~1千万円以上とかなり高額になります。 そのため、景気動向や増税・減税などの政策の影響も受けやすくなっています。 また、海外への輸出が多く、市場での流通を支えているため、海外の景気動向や政策の変更により、市場が活況になったり大きく停滞するなどの影響を受けます。

近年、発売される新車では技術革新が進んでおり、国内市場では、事故の減少に伴う修理業務の減少や、 システム部分のブラックボックス化により、ディーラー以外では対応できない箇所が増える、 世界的な電気自動車へのシフトも予定されている等、先が読めない状況になっています。

 

◆中古車販売業の会計上の特徴とは

中古車販売業は、中古車販売や車検などで税金や保険等、様々な要素が絡んでくるため、基本的に煩雑な会計処理が必要となる特徴があります。 例えば、特定の中古車を探してほしいという注文があった場合、売上と仕入のそれぞれに、車体価格(課税分)、車体価格(非課税分)、税金、保険、リサイクル料等が発生します。 また、オークションを活用する場合、オークション先の手数料や特典等、修理や追加パーツ等があれば、その費用がかかると非常に複雑です。

取引規模は、一般的な小売業と異なり、1件の取り扱い金額が大きいため総額も大きくなるという特徴があります。そのため、開業時や事業の拡大などでは多くの資金が必要となる傾向があります。 特に資金が必要な2大要素があり、在庫の取得に多額の費用が掛かることと、整備工場等の設備取得に費用が掛かることです。

在庫を保有して個人に向けた小売りを行う場合、在庫の保有に数千万円の費用がかかる場合も珍しくありません。例えば、100万円の車を30台仕入れる場合には、3,000万円が必要となります。 また、車検や整備等を行う場合には、認定を受けた工場が必要になります。これらの機械も大型になるため、個々の機械が高額になる傾向があります。

先にあげたとおり、1件の取引に様々な要素が絡んでくるため、個々の利益を正しく確認するためには、 業務中に意図的に情報収集を行い、経理の効率化を行わないと、個々の取引で正確な利益計算を行うことができません。 そのため、各業務の原価計算が正しく行われていない傾向があります。

しかし小売業としては単価が高く取引量が少ないため、個々の取引で確実な利益を積み上げなければ、最終的に会社として利益が出にくい体質になります。 まずは、自社が関係している情報を正確に取得できる体制を構築し、正しい原価計算を行い、利益構造を知ることが重要です。 個々の情報を正しく管理し、経営改善に活用することが、とても重要です。

 

◆定期的な確認が重要な3つの理由

経営上の数字は、定期的な確認が必要です。お話を伺うと、「うちはきちんと定期的に確認している」という会社さんでも、小規模・零細企業や個人事業の場合、細かく確認するのは1年に1回、決算のタイミングだけということは珍しくありません。 しかし、1年に1度というスパンでは、現実的にはあまり効果的とは言えません。

① 情報が古い

確認が年に1回では、直近の情報はともかく、それ以外の情報はだいぶ古くなってしまいます。あの時はこうだったけど、今は…。となってしまったら、せっかく振り返っても役に立てることができません。 なるべく新しい情報を活用することが、よりよい経営判断につながります。

② 細かい内容を思い出せない

1年に1度という長いスパンでは、個々の業務の細かい内容を思い出すことができません。例えば、「10か月前に販売した車の改修について…」とか「この月の利益率が…」という問題点などを考えようとしたときに なんだっけ?となってしまいます。現に、今、10か月前とは言わなくても半年前の業務のことを細かく思い出せますか?

③ 効果的な改善ができない

スパンが長くなってくると、個々の販売等の問題点がわかるのは、ずっと後のことになります。そのため、その間は問題が改善されないため利益が出しづらかったり、損失を出し続けることになってしまいます。 そのうえ、②のように細かいことが思い出せないと、実際に改善すべき根本的な理由がはっきりとしません。その結果、効果的な経営改善につなげることができず、利益が伸び悩んでしまいます。 せっかくビジネスモデルを新たにしようと思っても、情報の活用もできません。

 

◆月次で振り返りで経営問題確認を

中古車販売業の経営判断を行う上では、毎月1回の振り返りがおすすめです。 事業規模が大きい会社であっても、個々の店舗の1週間当たりの取引量では、外部要因での変動も大きく正確な検証が行いにくくなります。 そのため、週に1回精密なチェックを行うと多くの費用対効果としては過剰な時間がとられてしまいます。

そのため、日ごと・週ごとの振り返りは、業務の実施内容や進捗状況などの数字確認にとどめ、ざっとした振り返りを行ってください。 月に1回、予算(予想していた数字)と実際の数字との差異を確認し、個々の業務内容や目標管理などの現状の経営問題が浮き彫りになってきますので、そのタイミングで調整を行うと効果的です。

ただし、キャンペーン等により特別な集客活動等を行う場合は、週に1回等の短期での確認が効果的です。