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2025.10.14
コラム 求人票のうちAIで書くべき場所はどこか?

生成AIを活用して求人票を書くといっても、全体を丸ごとAIに任せられるわけではありません。現実には、「AIが得意な部分」と「人間が考えるべき部分」がはっきりと分かれています。この節では、実際にハローワークの「求人票作成シート(以下、ハロワシート)」を使ったとき、どの項目がAIに向いているか、逆にどの項目は自分で記入すべきかを線引きしておきましょう。
まず、自由記述欄や説明文を書く項目は、AIの得意分野です。以下は特に活用しやすい項目です。

  • 仕事の内容(業務内容)
    → 実際の作業内容や1日の流れなどをAIに聞きながら整理すると、わかりやすくまとまります。

  • 会社の特徴・PR欄
    → 「どんな社風か」「どういう人に合うか」などをAIに言語化してもらえます。

  • 求める人物像や適性
    → 前章で述べたとおり、人物像の抽出や文章化はAIの活躍ポイントです。

  • 待遇や福利厚生の説明文(数字ではなく“言葉で伝える”部分)
    → 固定的な条件だけでなく、社内の雰囲気や働きやすさを伝える文章なども、AIで生成可能です。

これらは、企業側が「言葉にしにくい」と感じやすい項目であり、逆にAIに任せれば、読みやすく整った文章をスムーズに作成できます。一方で、労働条件や法令に関わる具体的な数字や選択項目については、人間が責任をもって記入すべきです。以下は、どのような数字にするとよいか?という壁打ち的な利用をする分にはかまいませんが、AIに丸投げするべきではない部分です。

  • 賃金、就業時間、休日数、残業時間などの数値
    → 実際の社内ルール・就業規則・雇用契約をもとに正確に記入する必要があります。

  • 労働条件に関する選択項目(雇用形態、試用期間の有無など)
    → 法的な要件を満たすかどうかを確認するため、AIではなく人間が直接確認すべきです。

  • 加入保険、福利厚生の制度的項目(例:厚生年金、雇用保険など)
    → こちらも法律に関わるため、間違いがあるとトラブルにつながる可能性があります。

  • 採用までのフロー(選考方法、面接回数など)
    → 実際の運用と合致させる必要があるため、自社の人事担当者(零細企業の場合、基本的に社長)が決めて入力するべきです。

なお、AIで書けるかどうか迷ったときの判断基準はとてもシンプルです。

  • 「厳格に決めごとがあること」や「はっきりした数字」→人が書く

  • 「伝え方を工夫すべき説明文」や「印象を左右する表現」→AIに書かせる

この線引きを意識することで、AIに頼るべきところと、自分でしっかり考えるべきところを混同せずに、効率よく求人票を作成できます。
あくまでAIは、「最初のたたき台」や「文章整形の補助ツール」です。求人票の全責任を任せるのではなく、自分の考えを整理したり、伝わる表現に変換してもらう“ライティングの相棒”と考えるのが正解です。