あいさつ
大澤賢悟です。2023年も梅雨入りしました。これから1か月半ぐらい雨の多い日が続きます。外出が減り、室内で過ごすことが増えるかもしれません。せっかくなので、これを機会に読書を増やしたり、学びの時間にしたり、新しい趣味に挑戦してみてはいかがでしょうか?外出できないことで滅入ってしまうのはもったいない。ぜひチャンスとして活用してください。
進まない電子化から学ぶサービスとは?
労働保険料の年度更新の時期です。年度更新も電子申請を行い口座から引き落としを行うことができます。ただし、やってみるとかなり面倒です。gBizIDを取得し、ソフトウェアをインストール。さらにe-Govのアカウントを作成しソフトウェアを設定して、ようやくスタートです。色々なマニュアルは作っているようですが、隅まで読んでもらうのが前提のように感じました。5月に行った自動車税はQRコードを読み取ればクレジットカード決済ができたので、労働保険の電子申請はカンタンとは言えません。この煩雑な作業をさせるのを当然と思うことが、国が進める電子化が進まない原因の1つではないでしょうか。電子化に限らず新しいサービスを提供するとき、この手間がかかる部分はお客様にとても嫌がられます。逆に言えば、めんどくさいを解消するサービスならニーズが高くなります。サービス開発の大原則です。
経営者保証の取り扱いが変わります
金融機関から融資を受ける際に、経営者個人が会社の連帯保証人となるのが経営者保証です。2013年の経営者ガイドラインにより経営者保証をなるべく取らないように運用されていましたが、法的拘束力がなかったため、慣行通り経営者保証が設定されるケースが一般的でした。このような状況を改善するために経営者保証改革プログラムの運用が開始されました。注目すべきは以下の2点です。
①金融庁による監督が強化され、2023年4月以降に経営者等と保証契約を締結する場合は保証契約の必要性と保証契約の変更・解除(可能性)の条件について個別具体的な説明と記録化が求められる。②信用保証制度が整備されたため、創業融資や事業承継特別融資制度を利用する場合、連帯保証人を求めない制度が確立される。これにより経営者保証を減らしていくことを想定しています。減らすにあたって、今後は以下3つの要件が基準となり、経営者保証を解除するかどうかを判断します。①資産の所有やお金のやり取りに関して、法人と経営者が明確に区分・分離されている。(例:法人から経営者個人への貸付金は無いか。事業用資産が経営者個人名義でなく、法人名義となっているか。)②財務基盤が強化されており、法人のみの資産や収益力で返済が可能である。(例:法人単体の債務償還年数や自己資本比率等の指標が各金融機関の基準の範囲内か。)③金融機関に対し、適時適切に財務情報の開示がされている。(例:試算表や資金繰り表等の提出を定期的に行い、企業の財務状況を確認できるか。税理士等の専門家により計算書類の検証が行われているか。)つまり、無条件に保証不要となるわけではありません。