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2022.08.02

◆建設業は多くの資金が必要

建設業は、他の業種に比べて個々の事業規模が大きくなる業種です。そのため、工事の着工から完成までの期間が小規模・零細企業でも数か月、中堅企業であれば、1年を超えるものもあります。 その間、下請け業者には各所の完成の都度、支払が必要となります。

毎月、進捗に応じて中間金が受け取れれば、支払にそれほど困ることはありませんが、 完成までお金がもらえない、または、中間金が3か月に1度程度の場合、その間、外注への支払や資材の購入費用などを負担する必要があります。 つまり、入金が3か月に1度の場合は3か月分の支払を、入金が半年に1度の場合は半年分の支払いを行うだけの資金が必要となります。

会社は赤字でも倒産しませんが、資金が無くなると倒産します。黒字倒産というのは利益が出ているけれども、入金まで資金が回らなくなることです。 建設業は上で述べた通り、多くの支払いを先にする必要があるため、非常に黒字倒産しやすい業種です。 自己資金だけで賄う場合、多くの資金が必要となるため、金融機関を通じた資金確保が必要です。

 

◆銀行との信頼関係を高める

建設業は多くの資金が必要な業種であることは金融機関も十分に理解していますので、運転資金や設備投資資金などが比較的借りやすい業種になります。 しかし、どのような会社でも、すぐに資金を融資してもらえるわけではありません。

金融機関からなるべく良い条件(必要な資金を、なるべく早く、低利率)で融資してもらうためには、金融機関との信頼関係を高めることが重要です。 「銀行さんは、晴れの日に傘を貸して、雨の日に取り上げる」と言われますが、それは、金融機関との信頼関係がないことが最大の理由です。

金融機関との信頼関係は、財務諸表の数字、経営者の姿勢、資金の使用状況、返済実績、取引振りなどを通じて高めていきます。 全く利益が出ていないのに、新規開拓や営業努力が見られない期間が何年も続けば、金融機関としては信頼することができません。 他にも、資金を事業以外へ流用している、約束が守られない、利率だけでころころ借入先が変わる等があると信頼関係は崩れます。

金融機関はお金を貸し、貸した先の業績を好転させ、利息を払ってもらい利益を得る営利企業です。 返してもらえる当てがない、利息が払ってもらえない、そんな会社に資金を融資することはできません。 「あの自動車会社、ただで車くれないんだぜ、ケチだな!」とは言いませんよね。 「あの銀行、返せる確率が低い金、貸してくれないんだ、ケチだな!」と言っていませんか?

 

◆支払利息は必要経費

建設業は多くの資金が必要なため、売上の入金や中間金が入るまでの「つなぎ資金」が必要となることが良くあります。 そんな時、今までに取引したことのない会社に、お金を貸して!と言っても、そんな簡単には貸してもらえません。 融資のための審査にかなりの時間がかかります。

しかし、急に大きな仕事が入ったり、急な支払いがあったり、そんなつなぎ資金が必要となったときのため、 常日頃から、金融機関とのお付き合いをしておくことをお勧めします。 運転資金や設備資金などで長期の借り入れがあれば、そのままの状況で金融機関とのお付き合いができています。

経営が順調で、もしすべて返済してしまいそうなら、返済満了に合わせて、お付き合いで少ない金額を長期で借りることをお勧めしています。 返済満了から次の借り入れまでが1~2か月程度なら、あまり問題になりませんが、半年、1年と空いてしまうと、 次の借入時には、もう一度、審査が必要となります。 その場合、融資に時間がかかってしまう場合があります。

300万円の借入を5年返済、年利1%なら、年間利息は3万円未満です。 もちろん財務状態や資金の使用状況など、金融機関が当たり前に必要とする環境づくりは必要ですが、 年3万円(30%の税金なら負担額は2.1万円)で融資が受けやすくなるのなら 必要経費と割り切ってみてはどうでしょう? ちょっとした接待交際費と考えれば、多くはないと思います。

 

◆財務体質を改善し実質無借金を!

資金繰りを良くするうえで、金融機関の信頼を得ることはとても重要です。 そして、そのためにまず行う財務状態の改善は、そのまま良い財務体質を作り上げることと同じです。 どのような財務状態を作りたいのか、明確な目的を定めて戦略的に行うことがとても重要です。

基本的な目安として、預貯金が総資産の30%以上、自己資本比率30%以上という指標があります。 運転資金に使える現金・預金を合わせた合計が、全資産(現金・預金含む)の総額の30%以上というのが「預貯金が総資産の30%以上」になります。 また、純資産の部という資本金やこれまでの利益の合計が、全資産の総額の30%以上というのが「自己資本比率30%以上」になります。 この数字が絶対というわけではありませんが、一応の目安となります。

なお、純資産の部がマイナスになる債務超過は資金を考えるうえで、様々な点で問題が生じますので、債務超過となっている場合、まずは純資産の部をプラスにすることが重要です。

建設業の場合には、先に述べた通り、金融機関との取引をなくしてしまうとつなぎの融資をすぐに得たいときや、景気後退にともない一時的な運転資金の融資を受けたいときなどに困ることがあります。 そのため、全ての借金を返済しきる無借金経営ではなく実質無借金経営を目指すことが望ましくあります。実質無借金経営とは、「現預金の総額 > 借入金の総額」となっている状況です。

2022.08.01

◆建設業とは

建設業は一般的に、規模の大きいものはスーパーゼネコンを、小さいものは街の工務店を頂点とした階層構造が作られることが特徴的な業態です。 その階層規模は、元請けから実際に現場で活躍する一人親方まで二次下請け、三次下請けといった多層構造をとることが一般的です。

小規模・零細企業であっても元請けが受注する業務はリフォーム等で数百万円から、新築一戸建てであれば数千万円からと、他の業種と比べて単価が高くなります。 中堅企業が元請けとなる場合、億を超えることも珍しくありません。 このように個々の事業規模が大きくなる傾向にあるため、景気の影響を非常に受けやすいのが特徴です。

そのため各事業者は、工事内容や工事規模に応じて、下請け業者を都度確保することを基本的な経営方針としています。 下請けを効果的に活用することで、社内で抱える人員が削減できるため、固定的にかかる人件費が削減されます。 その結果、景気後退時の売上低下に対応できるといった、経営の弾力性を持たせてきました。

下請け業者は、1社の元請け業者の専属もしくは、1社に売上の多くを依存していることも多く、元請けとの価格交渉、業務交渉に弱い立場にあることが多くなっています。

 

◆建設業の会計上の特徴とは

建設業は、小規模・零細企業や個人事業であっても、先に述べたように個々の事業規模が大きいため、個々の現場の単価が高くなることが会計上の最も大きな特徴です。

そのため、一つの工事に対して、使われる材料や関与する外注が多く、経理の手間暇がかかるため、専任の経理人員がいない場合、経理作業が後回しになります。

しかし、個々の単価が大きいため、きちんとお金の管理を行わないと、受注後の時間経過とともに赤字に陥ったり、ほとんど利益のない現場になることがあります。 これでは頑張っても頑張っても楽になりません。

そのため、適切な売値(各現場の売上)はいくらなのか、適切な仕入れ値(材料・外注等を合わせた原価)はいくらなのかを知らなくてはいけません。 しかし、現場や事業内容、ビジネスモデルなどにより、個々の会社ごとの数字は異なってきます。

まずは、自社が関係している工事の情報をもとに、正しい原価計算を行い、売値、仕入れ値を知ることが重要です。個々の現場の情報を正しく管理し、経営改善に活用することが、とても重要です。

 

◆定期的な確認が重要な3つの理由

経営上の数字は、定期的な確認が必要です。お話を伺うと、「うちはきちんと定期的に確認している」という会社さんでも、小規模・零細企業や個人事業の場合、細かく確認するのは1年に1回、決算のタイミングだけということは珍しくありません。 しかし、1年に1度というスパンでは、現実的にはあまり効果的とは言えません。

① 情報が古い

確認が年に1回では、直近の情報はともかく、それ以外の情報はだいぶ古くなってしまいます。あの時はこうだったけど、今は…。となってしまったら、せっかく振り返っても役に立てることができません。 なるべく新しい情報を活用することが、よりよい経営判断につながります。

② 細かい内容を思い出せない

1年に1度という長いスパンでは、個々の業務の細かい内容を思い出すことができません。例えば、「10か月前に行った工事のこの材料について…」とか「この月の利益率が…」という問題点などを考えようとしたときに なんだっけ?となってしまいます。現に、今、10か月前とは言わなくても半年前の業務のことを細かく思い出せますか?

③ 効果的な改善ができない

スパンが長くなってくると、各工事の問題点がわかるのは、ずっと後のことになります。そのため、その間は問題が改善されないため損失を出し続けることになってしまいます。 そのうえ、②のように細かいことが思い出せないと、実際に改善すべき根本的な理由がはっきりとしません。その結果、効果的な経営改善につなげることができず、利益が伸び悩んでしまいます。 せっかくビジネスモデルを新たにしようと思っても、情報の活用もできません。

 

◆月次で振り返りで経営問題確認を

建設業の経営判断を行う上では、毎月1回の振り返りがおすすめです。 事業規模が大きいことから、1週間単位では、大きな成果が出てきませんので、週に1回精密なチェックを行うと多くの時間がとられてしまいます。

そのため、日ごと・週ごとの振り返りは、業務の実施内容や進捗状況などの数字確認にとどめ、ざっとした振り返りを行ってください。 月に1回、予算(予想していた数字)と実際の数字との差異を確認し、個々の業務内容や目標管理などの現状の経営問題が浮き彫りになってきますので、そのタイミングで調整を行うと効果的です。

2022.08.01

あいさつ

 

大澤賢悟です。7月は富士山に登ってきました。子供は初の3,000m越えの影響か高山病に苦しむ場面もありましたが、一緒に登頂し、ご来光を見てきました。めったに見られないブロッケン現象も見ることができ、天気にも恵まれとても良い登山でした。山頂は比較的涼しかったからか下山したらものすごく暑く感じました。なお、気象庁の発表によれば今年の夏は例年より暑くなるようです・・・。

 

 

ペーパーレス

 

大澤税理士事務所のスタッフに新しく近藤さんが加わりました。現在は、懸念であった書庫のデジタル化を進めていただいており、事務所のデジタル化を今以上に進めていきます。デジタル化に必須なペーパーレス環境は構築が大変です。しかし、紙では現物がある場所でしか情報を活用できませんが、デジタル化すればインターネットを通じてどこからでも活用できます。紙では同時に閲覧できるのは1名ですがデジタルなら複数名、環境によっては編集も同時に行えます。日本は世界でもトップクラスのIT”後進国で中小企業ではさらに遅れています。早めにデジタル化することで競合と差別化できます。事務所のデジタル化を通じてお客様にも環境づくりをお願いしていきますので、ご対応、よろしくお願いいたします。

 

クラウド型サービスでビジネスフォン

長い間、再リースを繰り返していたビジネスフォンを刷新し、クラウドを活用したビジネスフォンに変更しました。もちろん電話番号は変わりません。従来型のビジネスフォンは、事務所内の交換機を使うため、電波の届く事務所内でしか使えませんでした。しかしクラウドサービスを活用すると、スマートフォンをビジネスフォンの端末にできます。そのため、事務所の外でも社内電話が活用でき、作業の効率化が見込まれます。スマートフォンは社用で配布していますので、外出中でもクラウドサービスの利用等、今後は有効活用を進めていきます。様々なクラウドサービスが提供されていますので、業務改善に向けて事業に合わせた活用をお勧めしています。なお、弊社ではしばらくお電話でもたつくかもしれませんがご容赦願います。

 

 

着るエアコン

猛暑を受けてソニーが発売している着るエアコンがバカ売れしているそうです。着るエアコンは首元を機械で冷やすことで体温を下げる機械です。ソニー発売のものは小型・軽量化されており、主としてサラリーマンの通勤が想定されています。建設業や工場に対応した着るエアコンは富士通ゼネラルが開発しており、バッテリー、ラジエーターが大型化されています。過去にも空調服が発売されたときにはキワモノ扱いされていましたが、今では一般的になりました。この着るエアコンも何年後かには当たり前になっているかもしれません。法人ではサンプルの貸し出しもあるようなので1度試してみてはいかがでしょうか?

 

 

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2022.07.01

あいさつ

 

大澤賢悟です。登山を始めて1年になります。今年の夏はアルプスに挑戦するため6月は前哨戦として木曽駒ケ岳に行ってきました。千畳敷カールは残雪が多く最後の下りで雪の上を滑り落ちてしまいました。今後の山では気を付けないといけません。今年は6月末から危険な暑さで猛暑の夏が予想されます。物価高も進み商売への影響が懸念されます。ぜひともピンチをチャンスにしてください。

 

 

“新”賃上げ税制を受けるには?

 

安倍さんが導入した賃上げ税制は様々な改正を経て令和4年4月からも行われます。賃上げ促進税制の適用を受けるには細かい条件がありますが、重要な要件に「人件費の総額が1.5%以上増えていること」があります。この増加割合の計算では賞与も対象となりますので、期末に賞与を支給することで調整することもできます。税金の控除額は給与増加額の15%。上乗せ措置の要件を満たすと最大40%になります。100万円の給与増であれば40万円の減税につながります。ただし、控除には法人税額の20%という上限があります。つまり、税金をしっかり払っていない場合、ほとんど減税の恩恵を受けることはできません。利益のでる経営をすることが、減税を受けるための一番重要な条件かもしれません。

 

コロナ融資の返済を踏まえた資金繰りを考えよう

コロナ期間中の資金繰り改善のため多くの会社がコロナ融資を受けました。早い会社ではコロナ融資を受けてから2年以上がたちます。資金に余裕があり融資の直後から返済を行っている会社もありますが、融資の返済に3年間の据え置き期間を受けた会社の中からも、来年の今頃は返済が始まっている会社が出てきます。3年間の据え置き期間は返済の必要がないためその間の資金繰りは楽になります。しかし返済が開始すると本来の返済期間より3年分少ない期間で返済を行わなくてはいけません。例えば返済期間7年で融資を受けた場合、たった4年で全額を返済する計算になります。そのため返済期間に入ると一気に資金繰りが悪化します。融資の返済を見据えた資金繰り対応が求められます。

 

 

補助金でコロナ時代に合わせた経営改善が行えます

ポストコロナ時代に入りましたが、依然として多くの中小企業では経営に支障が生じることが懸念されています。このような問題解決を必要とする中小企業に対して、「ポストコロナ持続的発展計画事業」として認定経営革新等支援機関が支援します。具体的には、経営改善計画を策定し未来の経営を考えつつ、策定された計画を金融機関に提出します。金融機関とのより良い関係を構築し、自己の経営を見直す契機とすることによって、専門家と二人三脚で経営改善を促進します。この事業では専門家に支払う費用の2/3が補助されますので各社の負担を大きく抑えることができます。

 

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2022.06.01

あいさつ

 

大澤賢悟です。5月22日、次男と阿智セブンサミットの6座目と7座目に登頂してきました。小学校3年生での7座登頂は愛知県では最年少とのことでとても喜んでいました。コロナはマスクの解除が進み海外からの流入も開始されることとなりました。市場の変化が激しくなることが予想されますので経営に活用していきましょう!

 

 

事務所家賃とインボイス

事業用の事務所や店舗の借入家賃には消費税がかかっています(住居は非課税)。インボイス制度開始後は相手先のインボイス番号がわからなければ消費税の控除が認められません。不動産の大家さんが課税事業者であれば良いのですが免税事業者である場合、借主側で消費税を負担することになります。そのため、今借りている不動産の大家さんが課税事業者なのか免税事業者なのか一度確認してみましょう。もし免税事業者だった場合、消費税分の減額交渉をするか、移転するか、消費税分に相当する実質値上げを受け入れるか検討の必要が出てきます。早め早めの行動がおすすめです。

 

労働保険の申告・算定基礎届の提出時期です

6月1日から7月10日は労働保険の申告・算定基礎届の提出時期になります。ほとんどの事業者ではお手元に労働保険の申告書の封筒が届いている時期です。封筒に申告方法が細かく書かれたマニュアルもついています。労働保険は労働者のケガ・病気に対する給付金になりますので、もれなく正しく申告してください。社会保険の封筒は社会保険に加入している事業者に限られます。こちらは従業員の老後の年金給付に関係する書類です。こちらも忘れずに提出するようにしてください。

 

金融機関の担当者とうまくいっていますか?

4月の人事異動により金融機関の担当者が変わった会社も多いと思います。今年度に入り2か月が経過しましたが、新しい担当者との関係はうまくいっていますか?金融機関の担当者も人なので、どうしても付き合いやすい社長のもとへ足が向きやすくなります。信頼関係を高めて頻繁に通ってもらえれば有益な情報や良い融資を受けることができます。場合によっては審査の敷居が低くなります。良い関係を作るのは、金融機関の担当者が聞いたことを丁寧に答えたり無理難題を言わない、期日を守る等、社会人としての基本的な行為の積み重ねです。日ごろからの心掛けがとても重要です。

 

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