
『最速で仕事の進め方が激変する
Google NotebookLM 徹底活用術』
ヨス (著), 松山 将三郎 (著), 染谷 昌利 (著)
日本実業出版社(2026/1/9) 2,200円
【感想】
汎用的な生成AIにはハルシネーション(誤情報の生成)がつきものです。この課題をできる限り抑えるために考えられた技術が、RAG(Retrieval-Augmented Generation)です。RAGは、ベースとなるAI(GoogleであればGeminiなど)が文章を生成する際に、あらかじめ指定した情報のみを参照させる仕組みです。
本書は、そのRAGの考え方を実務レベルで活用できるツールとして、特に知名度の高いNotebookLMの使い方を解説した一冊です。HowTo系の書籍であるため、ツールの仕様変更によって内容が陳腐化する懸念はありますが、現時点では内容に問題はなく、巻末には読者限定の特設サイトも用意されており、仕様変更への対応も意識されています。
本書で扱われている内容は、NotebookLMの中でも比較的基礎的な機能が中心です。ただし、こうした基礎機能の組み合わせこそが応用につながるため、NotebookLMをまだ使いこなしていない人にとっては、一度体系的に理解するのに非常に適した内容だといえます。
NotebookLMは汎用的な生成AIとは異なり、参照元を限定することで、比較的信頼性の高いアウトプットを得られる点が特徴です。また、生成された情報の出典も明示されるため、検証可能性という観点でも優れています。従来の生成AIでは難しかった使い方が可能になるツールであり、正しく理解すれば非常に有用性の高い一冊です。
【以下、引用】
信頼できる「自分だけの情報」を活かすNotebookLMの特性
NotebookLMは、汎用AIとはまったく異なるアプローチで設計されています。NotebookLMの最大の特徴は、ユーザー自身がアップロードした特定の情報源(ソース)にのみもとづいて動作する点にあります。
・情報源の限定
PDFファイル、Googleドキュメント、Googleスプレッドシート、テキストファイル、ウェブページのURL、音声ファイルなど、ユーザーが提供した情報を「唯一の情報源」として扱います。
・ハルシネーションの大幅な抑制
参照する情報が限定されているため、インターネット上の不確かな情報に影響されることなく、誤った情報を生成するリスクをきわめて低く抑えられます。
・引用元の明確化
AIの回答が、どの情報源のどの部分に基づいているのかを明示的に示してくれるため、情報の信頼性を容易に確認し、さらに深く掘り下げることができます。
・個人専用の知識データベースの構築
自分の業務マニュアル、過去の議事録、研究論文、個人的な読書メモなど、自分だけの情報資産をNotebookLMに取り込むことで、それらすべてを一元的に管理し、AIの力で効率的に検索・分析できる個人専用のデータベースを構築できます。