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ブログBlog

2025.06.02
ブックレビュー (2025年6月)

『ビジネスモデル・ジェネレーション ビジネスモデル設計書』

アレックス オスターワルダー (著), イヴ ピニュール (著)

翔泳社 (2012/2/1) 2,657円

 

【感想】

アレックス・オスターワルダーとイヴ・ピニュールは、ビジネスモデルの設計や戦略的イノベーションの分野において、世界的に著名な研究者・実務家コンビです。世界各地の大学や研究機関でも客員教授として教鞭をとり、多くの研究成果を発表しています。また、戦略系の思想家ランキング「Thinkers50」にもランクインし、同賞の「Strategy Award」を受賞するなど、国際的な評価を受けています。この二人の協働によって生まれたツールや理論は、大きな影響を与えており、今後もその活用範囲は広がり続けると期待されています。そんな二人がビジネスモデルを視覚的にとらえられるようにと考案したのが本書です。

私がコンサルティングに活用するときに最初に使うフレームワークが「ビジネスモデルキャンバス」です。ビジネスモデルキャンバスは、会社経営の全体像を一枚のシートで見える化し、現状を客観的に把握・分析・修正できるという点で非常に画期的なツールです。特に中小企業においては、ヒト・モノ・カネの制約が大きく、限られた経営資源の中でいかに価値を生み出し続けるかが生き残りの鍵となります。その中でも「カネ」、つまり財務・収支などの数字との相性が良いこのフレームワークは、感覚や経験だけに頼った経営から脱却し、数字に基づく戦略的な判断を可能にします。資金繰りを日々意識する中小企業経営者にとっては、まさに必須の道具です。本書では、そのビジネスモデルキャンバスの基本的な使い方に加え、中小企業やスタートアップにも応用できるような視点が豊富に盛り込まれています。うまく活用して儲かる会社を目指しましょう!

 

【以下、引用】

ビジネスモデルとは、どのように価値を創造し、顧客に届けるかを論理的に記述したもの。

ビジネスモデルイノベーションの出発点は、ビジネスモデルについての共通理解です。これがなければ議論ができません。全員が同じスタート地点に立ち、同じ言葉を使う必要があるのです。そのコンセプトは、シンプルかつ直感的に理解できる一方で、あまりに単純化しすぎてもいけません。このコンセプトを共通言語として使えば、ビジネスモデルを簡単に表現し、活用できるだけでなく、新しい戦略立案もできます。逆にこのような共通言語なしには、ビジネスモデルについての仮説を検証することも、イノベーションを起こすこともできないでしょう。

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価値提案とは、顧客の抱えている問題を解決し、ニーズを満たすもので、顧客がなぜその会社を選ぶのかと言う理由になります。価値提案は特定の顧客セグメントが必要とする製品とサービスの組み合わせであり、起業が顧客に提供できるベネフィットの総体と言えます。

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その中小企業の経営者は、瀬戸際になるまでビジネスモデルを変えようとしませんでした。ビジネスモデルイノベーションへの最大の障害は問題がはっきりと見え、修正が必要となるまで、あらゆる変化に抵抗する人々です。

 

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