豊田市・みよし市・岡崎市 経営相談センター / 経営支援センター


◆ キャッシュフロー計算書は最初の財務諸表

 前回はキャッシュフロー計算書の説明をしました。 簡単に言えば、会社を基準に現預金が増えたか減ったかを記録した帳票です。 意味としては、銀行の通帳や現金の出し入れを記録する現金出納帳と同じ内容ですが、 個々の取引ごとに書かれたものだとわかりにくいため、現預金の出し入れを、理由ごとにまとめて 書かれたものがキャッシュフロー計算書です。

例えば、借入金を返した場合や、資産を売った場合、商売で儲けた場合などになります。

 実は商売を帳面に記録しだした最初のころは、キャッシュフロー計算書のようなものでした。 それが、時間をかけて貸借対照表や損益計算書のように変わってきました。 しかし、その後、キャッシュフロー計算書は復活し、必要な帳票となりました。 今回はその流れを簡単にお話ししつつ、キャッシュフロー計算書の役割をいたします。

 最初の帳面は基本的には現金を基本にして、その出し入れを記録した家計簿のようなものであったと思われます。 その後、銀行業が始まります。銀行業が始まりますと、その預金の情報も同じように記録されていきます。 今の銀行通帳と同じ役割です。



◆ 現預金の記録だけでは足りなくなった

 このようにお金の流れと同時に商売のやり方も変わっていきました。 取引が小さいうちは物を売り、その場で現金をもらっていました。 しかし、取引が大きくなってくると、毎回、現金でやり取りするのは手間です。 そのため、商品を渡しておいて、後でまとめてお金を払ってもらうように変わりました。 例えば、毎日、必要な商品を渡し、1か月分まとめてお金を払ってもらうなどです。

 このような取引を掛取引とか信用取引と呼びます。 この掛取引が多くなると現金や預金の記録では会社の状態がわからなくなってきます。 例えば、現預金の残高が100万円の時に、物を売ったほうの掛取引が1,000万円、買ったほうの 掛取引が900万円の時、

  現金:100万円

   と表現されるのと

  現金:100万円
  もらえる予定のお金:1,000万円
  支払いが必要なお金:900万円

では、だいぶ話が違います。 もらえる予定のお金が減ってしまうと支払えなくなってしまうかもしれません。 そのため、会社の本当の状態を知るためには下の書き方が必要なのです。 そして売上や経費について下の書き方をしているのが今の損益計算書です。

損益計算書との違い



◆ 損益計算書が必要ななわけ

 損益計算書は、将来もらえる予定のお金や支払う予定のお金についても書かれています。 勘定科目で言うと、売掛金や買掛金になります。 他にも未払金や前払金など、将来お金が動く予定のものです。

 社長だけであれば、将来の入出金も考えながら経営を行えば十分です。 にもかかわらず、このような会社の本当の状態をどうして帳面に書かないといけなくなったのでしょうか? それはお金を借りるためです。

 お金を貸す人は返してもらえなければ大きく損をしてしまいます。 損をしないためには、貸す相手の会社がきちんとお金を返せるのかを知る必要があります。 知るためには、今の会社の本当の状態がなるべくわかるような情報を欲しいと考えます。 そのため、

  現金:100万円

   と表現されるのではなく

  現金:100万円
  もらえる予定のお金:1,000万円
  支払いが必要なお金:900万円

と表現して欲しくなります。 取引にリスクがある社長はできれば上で書きたいかもしれません。 しかし、貸す人が下の書き方で書いてない場合には貸せませんと言ったらどうでしょうか? もちろん、下のように書くしかありません。 その結果、損益計算書は下のような書き方で書かれるようになりました。



◆ キャッシュフロー計算書が必要なわけ

 会社の本当の状態を表すのは損益計算書でキャッシュフロー計算書ではない。 だったらキャッシュフロー計算書はなくしてしまって、損益計算書だけでよいような気がします。 それにも関わらず、どうしてキャッシュフロー計算書が必要なのでしょうか?

 それは、損益計算書では儲かっているかはわかっても、現金が足りるかはわからないからです。 その結果、儲かっているのにつぶれてしまう会社が出てきてしまうためです。

 会社は毎月、多くの取引を行っています。そのため、売掛金や買掛金だけを見ても実際にお金がいつ、どのぐらい動くのかわかりません。 なぜならは、

  もらえる予定のお金:1,000万円
  支払いが必要なお金:900万円

というのは損益計算書では、

  売上 1,000万円
  仕入  900万円
  利益  100万円

となります。 つまり、売掛金の数字は明日、お金が入ってくるかもしれないし、3年後に入ってくるかもしれないのです。 にもかかわらず、100万円は今の利益になります。利益にはなっているけれど、お金にはなるかわからないのです。

 これに対して、キャッシュフロー計算書は、営業、投資、財務の3つに分類して、 現金がどのように動いているか見えるようにするものでした。 つまり、営業キャッシュフローが増えているのか、減っているのかがわかれば、 利益があがっていて、現金も増えているのか、 利益が上がっているけど、現金は増えていないのかがわかります。 特に取引の数が多くなると、全体の傾向で把握するしかありません。 その時、営業キャッシュフローだけでも全体の傾向を見ることができますし、 さらにその中にある細かい項目をさらに見ていく事ができるので より傾向がはっきりしてきます。

 つまり、利益という見方で会社を見るのが損益計算書。 現金という見方で会社を見るのがキャッシュフロー計算書。 この2つが助け合っているからこそ、会社の本当の状態がわかりやすくなるのです。

 会社は儲かっていなくてもお金があればつぶれません。 しかし、どんなに儲かっていてもお金が無くなってしまえばつぶれてしまいます。 倒産です。 そのため、お金の状況をわかりやすくしておくということがとても重要なのです。

キャッシュフロー計算書が必要な理由は伝わったでしょうか?
次回からは、実際に財務諸表を分析して会社の本当の状態を知るための方法をお伝えします。


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