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◆ 貸借対照表の純資産ってなに?

 前回までで貸借対照表の基本的な見方と負債のお話をしました。 今回からは、貸借対照表の右側の下部分、「純資産」と呼ばれる部分です。

純資産の場所

純資産がわかりにくい理由の一つに名前があります。 貸借対照表は、左側に「資産」、右側に「資産」があるため最初は何が違うのかがとても分かりにくいです。 さらに、名前が似ているため覚えにくいという問題が出てきます。 そのような純資産ですが、次のように考えると覚えやすくなります。

純資産とは会社に残るだろう純粋な資産

これはどういうことかというと、貸借対照表というのは、左側に資産があって右側に負債があります。 左側の資産というのは、今、会社を止めて売ってしまった場合に、お金になりそうな金額です。 右側の負債というのは、今、会社を止めてしまったとしたら、払わなければいけない金額です。 そうすると、資産と負債と純資産の関係は次のようになります。

純粋に残るお金(純資産)=入ってくるお金(資産の価値)−払わなければいけないお金(負債の価値)

純資産の計算

実際には貸借対照表の資産の価格で会社が売れるわけではないのですが、 大まかにこれぐらいの価格で売れると考えて純粋な資産というイメージです。

ちなみに名前の由来は英語です。昔は日本では"資本"と呼んでいました。 しかし、2006年に法律が変わった時に少し取り扱いが変わったため、アメリカで使っていた"net asset"という言葉を そのまま日本語に変えました。 "net = 正味の"、"asset=資産"です。つまり、正味の資産=純資産となりました。



◆ 純資産は会社の価値

純資産は、資産から負債を引いた残りと考えると、おまけみたいなイメージですが、 実は非常に重要なものになります。 それは、引いた残りというおまけ的な見方ではなく、会社に実際に残っている部分と考えるためです。 先ほど、純資産を会社を今売ったら残りそうなお金とお話ししましたが、 残りそうなお金ということは、会社の売値だとも考えられます。 つまり会社の価値を表しています。

会社の価値というと少しわかりにくいので他の物で考えます。 例えば車で考えてみます。 車にはいろいろな種類の車があります。 最近、人気の車はワゴン型の軽自動車で200万円ぐらいが一般的なようです。 この自動車の価値というものを考えたときに、 人によって考え方が違うので車の価値は違ってきます。 しかし、1点、金額という点で考えてみるとある程度、同じところに落ち着きます。 例えば、200万円で売られている車で言えば、とりあえず200万円ぐらいの価値かな?と 思うのではないでしょうか?

これは会社でも同じで、この会社いくらぐらいの値段が付くのかな?というのが実は会社の価値になります。 そのため、純資産というのは実は会社の価値を表しています。



◆ 純資産は自分たちのお金

純資産とは

純資産とは自分たちで入れたお金と説明しました。 実はもう少し複雑です。 純資産を大きく分けると次の3つに分かれます。

 @ 会社の持ち主が会社に入れたお金
 A 会社が稼いだお金
 B その他

ここで、Bのその他の部分は中小企業ではほとんど出てこないのでここでは説明しません。 もともと、「純資産=資産−負債」いう考えであるため、負債でない物を純資産に入れた結果、 色々な細かい部分が含まれてしまっています。

@の会社の持ち主が入れたお金というのは、簡単に言えば資本金です。 会社を始めるときには会社が営業活動をするために必要ないくらかのお金が必要となります。 そのお金が資本金であり、資本金を払った人たちを株主と言います。

この株主が払ったお金は、資本金⇒現預金と移動して、いろいろなものに使われます。 例えば、その後、営業用の車に変わった場合には、次のようにお金が動いたことになります。

お金の流れ

資本金以外にも他の名前の項目を使うことがあります。 「資本準備金」や「その他資本剰余金」などという名前の科目があります。 これらは、細かいことを言えば、取り扱いが違うのですが、中小企業では ほとんど細かな取り扱いをしません。 また会社の資本であることには違いが無いため、最初のうちは資本金と同じようなものと思っておいて大丈夫です。

Aの会社が稼いだお金とは、会社ができてから今までの間にどのくらい稼いだかがわかります。 1年あたり200万円で20年なら4,000万円になっています。 この数字が大きくなると、会社は安定してきます。 そのため会社を安心して経営したい場合はこの金額を増やしていく必要があります。 この金額が増えると、安定して使える現金が増えるためです。

この金額を増やすための方法は一つです。 利益を上げることです。 多くは「繰越利益剰余金」という科目でまとめられており、 税金を払った後の利益が繰越利益剰余金に足されていきます。 もうすでに税金を払った後の利益ですから、すべて会社のお金です。 負債のように返済する必要もありません。

実は、繰越利益剰余金を会社ができてからの期間(設立期間)で割ると、 1年にどのくらい利益を稼げたか?ということがわかります。 この数字を出してみると、愕然とする社長もいます。 すごく稼いでいる!と喜ぶのではなく、 え、こんだけしか稼いでなかったのと感じる場合です。

純資産の注意点として、純資産の金額が現預金として残っているわけではないということです。 特に、○○積立金という科目が純資産にあると、それだけ積み立てていると考えがちですが、 実際に預金には残っていない場合があります。 これは積み立てた現金はとっくに使ってしまったけれど、純資産はそのままという場合です。 使えるお金は、あくまで現金や預金です。 純資産の金額ではないことに注意してください。



純資産については大まかに全体像が理解できたでしょうか? 次回は、貸借対照表の左側、資産を見ていきます。


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