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◆ 貸借対照表とは?

 前回までで損益計算書のお話をしました。今回からは苦手な人も多い貸借対照表について説明していきます。

   損益計算書が読める社長は結構います。しかし、貸借対照表が読める社長になるとだいぶ減ってしまいます。 その大きな理由は、損益計算書と違い、貸借対照表がなんの役に立つのかわからないので、興味がわきづらいことが原因だと思います。

 例えば、損益計算書は「売上」というとても目立つ科目があります。 今年の売り上げ目標を1億円としていれば、損益計算書の売上を見て、社長の経験から今年の目標に届くか届かないかがなんとなくわかります。 また、損益計算書の中身はいまいちわからなくても、一番下に利益があります。 利益の数字を見て赤字だとなんとかしないといけないという気持ちになります。 損益計算書は、わかりやすく興味を引きやすいのです。

損益計算書は興味が出やすい

 しかし、貸借対照表には、わかりやすい位置に、損益計算書のように興味を引く科目がありません。 一番左上に、現金や預金がありますが、預金通帳で見るリアルタイムの数字がわかる預金通帳のほうがよっぽど興味を引きます。

貸借対照表は興味がわかない

 ましてや、それ以外の科目は知らなければ興味のわかない科目だらけです。 そのため、どうしても後回しになってしまいます。 しかし、貸借対照表は社長として経営を行っていくときにはとても重要な帳票です。 社長が読むということを考えると、むしろ損益計算書よりも重要です。

 実は財務諸表には実は順番があり、1番は貸借対照表で、2番が損益計算書となっています。 起業2,3年ぐらいの会社でなければ、銀行が融資で重視するのも貸借対照表です。 そのため、社長としては、貸借対照表を活用できるかどうかはとても重要です。 ここでは、そんな貸借対照表を少しでもわかりやすくお話ししていきます。



◆ 貸借対照表は会社のステータス

会社のステータス

 勇者が魔王を倒すゲームをやった人もいると思います。 そのゲームでは勇者のレベルや体力といった強さを表すステータスが数字で見れます。 ゲームを始めたときにはとても弱かった主人公ですが、冒険をしていくと数字が変わります。 どんどん経験を積むことでとても強い主人公になります。

 貸借対照表は会社におけるゲームのステータスのようなものです。 会社の強さを数字で見ることができます。 会社も生まれたときは0歳。基本的にはとても弱い会社です。 しかしいろいろな経営を行っていくうえで、財産が増えたり、借金が増えたりして成長していきます。 良い経験をして、正しく成長していればとても強い会社になっていきます。

 貸借対照表の数字には、貸借対照表を作った時点までに社長がどのように会社を成長させてきたかが 数字で出てきます。そのため、貸借対照表には社長の性格が反映されます。 貸借対照表を見るとどんな人かわかる場合もあるほどです。 本当?と思われるかもしれませんが、本当なんです。 銀行の融資担当者によっては、貸借対照表を見て社長の考え方に問題があると 判断する人もいます。

ゲームのキャラクターで考えてみると、ゲームのキャラクターは開始時には職業などの違いがあっても それほど強さに違いはありません。 しかし、ゲームを進めていくうえで、ゲームプレイヤーの個性に合わせて、攻撃力の強いキャラクターや、 素早さの高いキャラクターに育てていくため個性が出てきます。

 会社の成長も、キャラクターの成長のように社長が日々考えていることが反映されます。 将来を見据えている人、目の前のことで精いっぱいな人、お金に厳しい人、ルーズな人、 それぞれの考えが日々の経営に少しずつ反映されていきます。 貸借対照表は、その積もり積もった結果です。 そのため、貸借対照表を見ると性格がわかるのです。 貸借対照表は会社そのもの、社長そのものなのです。

 わかりやすい科目の例をあげると、社長へお金を貸した科目があるか?です。 「社長貸付金」や「個人貸付金」のような名前になっていることが多いです。 この科目の数字が大きいと、お金にルーズな人だというのがすぐわかります。

   そのため、貸借対照表の見方を覚えて、どのような貸借対照表を作るのか意識した経営を行うことが望ましいです。 特に中小企業の場合は、とても重要です。 なぜなら財務諸表をチェックして指摘してくれる人がいない場合も珍しくありません。

 大企業(正確には公開企業)は、財務諸表を多くの人がチェックします。 会社にお金を出資している株主の中には、とても細かくチェックする人もいます。 チェックの結果、数字が良くないと社長がクビにされてしまいます。 そのため、社長は必死になって数字を創ろうとします。

 中小企業の財務諸表は、社長と銀行、税理士ぐらいしか見ません。 税理士の中には、財務諸表を作ることはできても、上手に伝えられない人もいます。 業務改善のための読み方を知らない人もいます。 銀行員は読めますが、銀行員が口うるさく指摘してくれることはありません。 悪い数字になったら融資を引き揚げてしまうだけです。

 会社は社長の考えや個性によって成長方向が決まります。 税理士や銀行員が指摘をしたとしても社長がその気にならなければ、 財務諸表は活きてきません。そのため、社長が財務諸表を使う気になることがとても重要です。 良い貸借対照表を作ろうとすると、良い経営が必要になり、必然的に良い会社になっていきます。 そのためにも貸借対照表が大事なのです。



◆ 貸借対照表は右から左へお金の流れで見よう

成績比較

 それほど重要な貸借対照表の基本的な読み方をお話しします。貸借対照表の話の多くが、一番最初に左が資産、右が負債と純資産と言われます。 この時点で、ほとんどの場合、意味が分かりませんよね。 よく知らない単語が3つ出てくる上に資産と純資産って名前がそっくりだけどなにが違うのかわかりません。 私も最初、意味が全く分かりませんでした。

 貸借対照表の大まかな名前やそれぞれの意味は、もちろん違いがあります。 分けてある理由も非常に重要な項目なので、いずれは覚えていただく必要があります。 しかし、最初から分けれられてもよくわからないので、まずはお金の流れを中心に見ていいましょう。 お金の流れで見ていくととても分かりやすいです

 貸借対照表は、基本的な考え方として右側から左側にお金が流れていると考えてください。 貸借対照表の右側は会社にどこから、どのようにお金が入ってきたかを表しています。 そして、左側は何にお金を使ったかを表しています。



◆ 右側はどこから入ってきたお金か?

 右側は会社にどこから、どのようにお金が入ってきたかを表しています。 この時、お金の入ってきた先を、「他人から入ってきたもの」と、「会社の関係者から入ってきたもの」の2つに分けます。 2つに分けた内、気を付けなければいけないのは、他人から入ってきたお金、つまり借りたお金です。 自分が入れたお金は、急いで返す必要はありませんが、借りたお金は決まった期間で返さなければいけません。 そのため、上のほうが急いで返すもの、下のほうはゆっくり返すものという風に覚えていただくととても分かりやすくなります。

 他人から入ってきたお金=借りたお金を"負債"と呼びます。

 右側の下側には会社の関係者が入れたお金が書かれています。 大企業だとたくさんの人から集めますが、中小企業の場合には、ほとんどの場合、社長が会社に入れたお金です。 会社を始めるときには、ある程度まとまったお金が必要になります。 中小企業の場合、社長か一緒に起業した人からしかお金を集めることができないので、 この時、集めたお金になります。この部分が右下のお金になります。

 そのほかに右下に入るお金には、会社が稼いだ毎年の利益が蓄えられていきます。 つまり、右下の部分は社長たちが最初に入れたお金と、会社が増やしたお金が入ります。 ここは"純資産"と呼ばれます。この名前がかなりわかりにくいです。 昔は"資本"と呼ばれていましたが、どちらにしろ一般用語ではなくわかりにくいです。 とりあえずは社長が入れたお金や会社が稼いだお金なので、他人のお金ではなく、 関係者の純粋な資産=純資産という意味で覚えていただくとわかりやすいと思います。。



◆ 左側は会社のお金を何に使ったか?

 次は、貸借対照表の左側です。左側は入ってきたお金を何に使ったかを表しています。 機械を買ったり、車を買ったり、社屋を建てるのに使います。 この時の考え方として、現金や預金も使ったお金です。 右側から入ってきたお金を、「日本円という現金」や、「日本円という預金」に使ったと考えてください。 海外展開している会社であれば、右側から入ってきたお金を、アメリカドルという預金、中国元という預金に使ったということです。

 貸借対照表の左側は、上から下に行くにしたがって、使った先での状態の変化が緩やかになります。 一番上にあるのは、現金や預金です。 現金や預金は常に使われて数字が変動します。

 その下には、1か月や2か月ぐらいで現金に変わりやすいものが来ます。 科目としては、後でまとめてお金を払ってもらう売掛金や、先にお金を払っておいた前払金などです。 機械や車はもっと下になります。一度買ってしまうと、買い替えたり壊したりするのはだいぶ先になります。

 このような資産を大きく2つに分けて考えると、上の部分が、使った先でお金の動きが激しいもの、 下の部分が、一度使ってしまうとあまりお金の動きのないものとなります。 このお金の使い先である左側を、"資産"と呼びます。 お金を使ってしまったのに資産?と疑問に思うかもしれません。 しかしここは、使ったからこそ資産となります

 実は会社というものを考えるとき、資産とは利益を生み出す道具です。 社会のため、働く人のため、個人の満足のためなど、色々な考え方がありますが、 どのような目的であっても会社が活動していくためにはお金が必要です。 そして、会社がお金を得るためには、利益が無くてはいけません。 つまり目的のために、会社は利益を生み出す必要があります。

 会社を創っても何もしなければ利益は生まれません。 そのため会社は、活動するために入ってきたお金を使う必要があります。 活動するために使ったお金が、利益を生み出すための、何かの形として残ったものが資産です。 つまり、資産とは使ったお金ということが言えます。 そう考えると、使った結果得たものが資産であることは納得がいくのではないでしょうか?

 このように貸借対照表をお金の動きから見てみるとかなりわかりやすくなります。



 ざっくりとイメージをお話ししましたが、貸借対照表の全体的なイメージはわかったでしょうか? 貸借対照表をきちんと見れば、会社のことが資金がわかってきます。 貸借対照表は社長がきちんと見ておく帳票です。 読み方を覚えて経営にばっちり役立ててください。



次回からは貸借対照表をお金の流れに合わせてお話しします。 まずはわかりやすい負債から。


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