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売らないからこそ高い値段になる

かぐや姫
昔話で経営塾。今回はかぐや姫がテーマです。

 竹から生まれたとても美しいと噂のかぐや姫。おじいさんとおばあさんに大事に育てられます。 噂を聞いて結婚を申し込む皇子様5人に、無理難題を出します。皇子様は無理をかなえようとして身を滅ぼします。 さらに、帝も結婚を申し込むが断ってしまう。 その後、月に帰ってしまうというお話です。 (※ 詳しく知りたい方は、wikipedia:竹取物語を参考)

 ここでのポイントは、かぐや姫が月に帰ってしまうこと…ではなく、"かぐや姫の価値"が時間とともに どんどん増えていっていることです。かぐや姫は決して自分を売り込もうとしていません。 むしろ、人前に出なかったり、無理難題を出したりします。 このように価値がどんどん高くなっていくかぐや姫の戦略を見ていきます。
もしかしたら、かぐや姫がとてもかわいくてしかたない、おじいさんや、おばあさんの戦略かもしれません。

◆ 物やサービスを買おうと思うとき

 人が物やサービスを買おうと思うとき、どのような気持ちなのでしょうか? 急にほしくなって買うことがあります。 ずっとほしかったものを買うことがあります。 1,000円の物をしばらく悩んでたひとが、1,000万円を超えるものをすぐに買ってしまうこともあります。 高いものの代表は家や車ですね。他にも、保険もかなり高額商品です。 それでは、1,000円を悩んで買うのをやめる人でも、どうして、すごく高いものを買ってしまうのでしょうか?

人が物やサービスを買うときというのを考えていきます。なにかを買うときを簡単なイメージで表すと、次のようになっていると考えられています。
 1.物やサービスを知る
 2.興味を持つ
 3.欲求が高まる
 4.行動する(=買う)

他にも、3と4の間で(広告の情報を)覚えておくとか、4のあと(SNSで)共有するなど、 プロセスの考え方形を変えたものがありますが、シンプルに考えると1〜4になります。 ここで、1〜3でどのように商売を行うかということが、4の行動するで、どのような商品をいくらで買ってもらえるかにつながります。

◆ 典型的なダメな例がわかりやすい

 まず典型的なダメな例です。女性なら洋服売り場へ行ったとき、男性なら家電売り場へ行ったときを考えてみてください。 あまりピンと来なければ、1万円より高い自分の好きなものをイメージしてください。

 今年の流行りの夏服が出ているとか、すごく便利なテレビとかを、うろうろ見ていていいなぁというときです。 そこへ、すっと店員が近づいてくると、めんどくさいなぁと感じませんか? この時点で買う気がなくなって違う店に行きたくなるというのはよくあることだと思います。

 逆にしばらくうろうろしながら手に取っていて、「あ、これ欲しいな」と思ったタイミングで すっとスタッフが来ると、服の試着をしたり、別の色がないか聞いたりしませんか? テレビの機能を聞いたり、同じレベルの商品を聞いたりしませんか? この違いはどこにあるのでしょうか?

 売り場へついていろいろ見ているときというのは、1もしくは2のタイミングになります。 知る、興味を持つ、知る、興味を持つ…を繰り返している時なので、まだまだ悩んでおり、 欲しいとはっきり認識しているタイミングではありません。 先ほどのイメージで考えると、3の欲求が高まるところまで行っていないのです。 せいぜい、2と3を行ったり来たりしている程度です。

 しかし、後者のスタッフの場合には、3の欲求が高まるフェーズから、4に移ろうかどうか悩むタイミングで声をかけています。 そのため、先の店員と違い、買い手が離れることなく、むしろ積極的に購入しようとします。

◆ プロスタッフはさらに違う

 プロスタッフは、さらに4に移ろうとするタイミングで非常に上手な売り込みをします。 この3の欲求が高まってくる時というのは、人は"4に移らない理由を探しだす"時でもあります。 "似たものがあるし"とか、"なくても困らないし"とかです。 非常に接客の上手なスタッフは、このタイミングで"4に移らない理由を打ち消す理由"を、ごくごく自然に提案します。 つまり、4に移ってもよいと買い手が知らず知らずのうちに納得してしまう理由を提案します。 後で気が付いたら、ついつい買いすぎていたということがあると思います。 それが、このようなスタッフが上手に提案してきたときです。

 このスタッフは売るものの価値が顧客の中で最大になるまで待っています。 さらに、スタッフのスムーズな提案で商品に価値を上乗せします。 その結果、お客様の中で、支払う金額以上の価値が商品についたため、 高くても買いたいという気持ちになるのです。

◆ 売り込みができるタイミングとは

 前者のスタッフと、後者のスタッフの違いは売り込みのタイミングでした。 しかし、売り込みをして効果が出るタイミングは、基本的にこのタイミングだけです。 それ以外のタイミングでは、人は売りつけられるという気持ちを持ってしまい、 反射的に拒否する行動に出てしまいます。

 販売が上手なお店は、この3までをどのように上げるかを考えています。 たとえば、iPhoneはとても上手ですよね。 良いデザインをベースに高いブランドイメージを作っており、Appleストアに来店する時点で多くの人が3になっています。 そのため、Android製品やWindows製品と機能だけならあまり変わらないのに高い値段で売れていきます。 これも、様々な方法をとっていますが、売り込もうとせず商品の価値を高めているためです。

◆ それでは、かぐや姫の価値を高める戦略とは?

 かぐや姫の価値を高める戦略を考えていきます。 とても美しいかぐや姫という噂が流れ、時間とともに多くの人が集まってきます。 このタイミングは、まだまだ1か2の段階です。 かぐや姫とは何だろう?と多くの人が興味を持っています。

 この時点では、皇子や帝に声が届いているかは不明ですが、 もしこのタイミングで、皇子や帝に結婚を求めてもうまくいく可能性は低いと思います。 皇子や帝にとっては地方の田舎町で出ている噂話程度で、高い価値を見出していません。 低い価値の状態では、皇子も帝も興味すら示さないかもしれません。 このタイミングは、おじいさんやおばあさんの戦略では、まだまだ求めているレベルではなく、売り込むのに適切でないのです。

 売り込まず、多くの人からの求婚を断っているうちに、ますます多くの人や多くのお金持ちが集まってきます。 しかし、ちっとも相手にしません。しかし、美しいかぐや姫と結婚したいという気持ちが高まります。 ダメと言われれば見たくなるし、多くの人を集めた実績が美しいという噂が、いつの間にが真実のように思われだします。

 その結果、ぜひとも自分が結婚したいという気持ちが強くなります。つまり3の欲求が高まっていきます。 さらに、皇子が参加し、皇子同士の欲求がぶつかりあうことで、ますます価値が高まるとともに、 ぜひとも結婚したいという欲求が高まっていきます。 たくさんのプレゼントをしたりしても、振り向いてもらえません。むしろ無理難題を突き付けられます。

 この流れの中では、かぐや姫も、おじいさんもおばあさんも、まったく売り込んでいません。 一度売り込んでしまうと、かぐや姫の不思議な価値を支える幻想が、バブルのようにはじけてしまうからです。 噂を流し、かぐや姫のブランド価値を高めることに徹しています。 結果的に、帝が出てきたタイミングで、おじいさんとおばあさんは売り込んでいます。 最初に狙ったところまで、きちんと価値を高めたため、もっとも高い値段で買ってくれるお客様を見つけられたのです。 (※かぐや姫は、月に変える予定なので、ここでも自分を売り込んでいませんが…。)

◆ 価値のあるものを高く買ってもらうために

 価値のないものを高く売るのは詐欺です。 しかし、本当に価値のある物やサービスは高い値段で買ってもらわなければ、物やサービスの価値が維持できません。 基本的に質の高いものには、それだけのコストがかかっています。 材料を良くしたり、時間をかけてサービスを提供する能力を高めたりします。 そのため、どうしたら価値あるものを高い値段で売るコトができるのかという方法を考えなければいけません。 集客は、お客様に自分の価値をきちんと理解してもらうことでもあります。 理解してもらうことを考える方法でもあります。

 さいごにとてもとても有名な絵描きの逸話を紹介します。 川のほとりで絵を描いている絵描きに、お金を払うから似顔絵を描いて欲しいと頼みました。 その絵描きは10分ぐらいで絵を描き終えたあと、高い報酬を要求しました。 絵を描いてもらった人は、たった10分で描いた絵がこの値段は高すぎると苦情を言います。 しかし、絵描きは言います。
 この絵を描けるようになるのに30年、努力しました。この絵は30年と10分で描いた絵です。 それでも、安いと思いますか?
 かぐや姫のように、自分の提供している商品の価値に見合った値段を付けられるようになることが 良い商品やサービスを増やすことだと思います。



次回は、うさぎが考えたイノベーションを取り上げます。
イノベーションの先に待ち受ける危険も教えてくれた、因幡の白うさぎです。


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