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財務分析実践編:タカタ2017年3月期

 分析は、有価証券報告書をもとに実施します。有価証券報告書とは株式公開をしている会社が会社の情報を報告するために義務付けられているものです。 今回は、タカタの2017年3月期を、中小企業の視点から簡易な財務分析を行います。 本来、財務諸表は貸借対照表→損益計算書の順で行いますが、財務分析が苦手な方でも入りやすいように損益計算書→貸借対照表の順で行っていきます。

今回は財務状態を表す、資金別貸借対照表の2期比較をもとに分析を行います。

◆ 財務状態を見る貸借対照表

資金別貸借対照表の2期比較

 資金別貸借対照表の前期と当期の比較です。
 資金別貸借対照表とはお金を安定性によって色分けすることで、会社の財務体質をわかりやすくしたものです。 どのような方法でお金を調達し、どのような方法にお金を使ったかを、資金を安定性の面から区分けして見ることができます。

 損益資金:会社がこれまでの経営で蓄えた資金
 固定資金:長く安定して利用できる資金調達と、長期間資金が寝てしまう資金運用のバランス
 売上仕入資金:売上債権と支払債務のバランス、特にサイト(債権回収もしくは債務支払の期間)の差
 流動資金:すぐに支払う債務、すぐに受け取る債権のバランス

 簡単に言えば、上のほうにあるものは、安定した動きの少ない資金、下のほうにあるものは出入りの激しい資金です。

 タカタの2017年3月期の資金別貸借対照表を確認すると、損益資金が大幅に悪化しています。 為替差損も原因ですが、その多くは当期の特別損失に伴う純損失です。 危機感のなさ、顧客への意識等、本質的な部分が欠けた結果が貸借対照表にも大きく影響しています。

 固定資金の減少は、長期借入金の減少と機械等固定資産の減少のバランスがとれており、 大きな変化はありません。損益計算書上、本業が安定していることがこのバランスからも確認できます。

 売上仕入資金は若干悪化しています。売上債権が増し、資金調達が若干、きつくなっています。 ただし、取引先が大手自動車会社であることから、売上債権の回収サイトを縮めることは困難です。 また、安定した業態であれば、売上仕入資金のマイナスは他の部分で十分カバーができます。 改善ができれば望ましいですが、容易に対応ができる部分ではありません。

 ここまでの結果、安定資金は大幅に悪化しています。通常、このような資金面の急激な悪化は資金繰りに懸念が生じます。 現実的に急激な悪化が生じていない要因として、最後の流動資金が大幅に改善しています。 損益資金の急激な悪化に対応する勘定科目として未払金が計上されているためです。 そのため、期末の現預金合計が前期より向上、ネットキャッシュ比率も21.1%となっています。
 ただし、あくまで短期的な未払金によるものであり、リコール問題等終了後は、未払金の支払いが必要となります。 その結果、資金を支えている流動資金が急激に悪化し、資金がショートする可能性が非常に高くなっています。


次回は、今後のとるべき方針と事例から学ぶことです。


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