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財務分析実践編:大塚家具2017年12月期

 分析は、有価証券報告書をもとに実施します。有価証券報告書とは株式公開をしている会社が会社の情報を報告するために義務付けられているものです。 今回は、大塚家具の2017年12月期を、中小企業の視点から簡易な財務分析を行います。 本来、財務諸表は貸借対照表→損益計算書の順で行いますが、財務分析が苦手な方でも入りやすいように損益計算書→貸借対照表の順で行っていきます。

 今回は収益性を表す損益計算書の3期比較をもとに分析を行います。

◆ 収益性を見る損益計算書

3期比較売上・粗利益・経常利益・固定費

3期比較粗利益率・経常利益率


こちらが、グラフのもととした数値です。
損益計算書抜粋

 上図が売上、粗利益、経常利益、固定費(販管費・営業外損益)の3期比較、下図が粗利益率、経常利益率の3期比較です。 有価証券報告書では変動費と固定費の分解がきちんとできませんが、本コラムは簡易な分析ですので、売上原価を変動費、販管費等を固定費として取り扱います。 適切な分析を行う場合には、売上原価に該当するものを変動費と固定費に分解する必要があります。 また、営業外損益は毎期大きな変動は少なく、その金額も販管費と比べると少ないため固定費に含んでいます。

簡単な用語解説
変動費:売上の増減に応じて変動する費用。主なものは材料費。
固定費:売上の増減にかかわらず毎期一定の費用。主なものは人件費や建物の減価償却費。
粗利益:売上総利益の別称。売上から原価を引いた利益。
経常利益:粗利益から固定費を引いた利益

 まず、3期の売上が大きく低下しています。数字上は、2年間で売上が30%程度減少していますので、かなり危険な減収傾向にあります。 その結果、前期・当期は粗利益が固定費を下回ってしまい、設備や人員の維持費を利益でカバーできていません。 創業間もない企業を除けば、粗利益が固定費を上回ることは大前提です。 そのため、前期、当期は赤字になっています。当期の損益分岐点売上高から見るに、 現在の会社の規模を維持したうえで黒字化するには125%の売上実績が必要となりますので、根本的な改善が必要です。
ただし、前々期と同程度に固定費を増やしてしまうと、140%の売上が必要となりますので、現実的ではありません。 現状の組織を有効活用し経費を増やさず売り上げを向上させる施策の検討が必要です。 当期の固定費が前期と比較して10%程度下がっています。低下率が高いので経費削減だけではなく人件費等に手を付けたと推測されます。

 収益率を見ると、粗利益率50%超をキープしています。小売業の粗利益率は業種によって10%〜50%と幅はありますが、平均30%程度です。 小売業という業態と利益構造から考えるに、非常に高い粗利益率であり、利益を上げるための素晴らしいビジネスモデルだと考えられます。 ただし、安定して増収を行えるようビジネスモデルを適宜、調整していく必要があります。
前期・当期と急激に低下していることを考えると、前々期もしくはその前後で行った施策に問題があり、顧客が急激に離れている可能性が高いと考えられます。 少なくとも、当時の施策は失敗ととらえ、再度、ビジネスを見直す必要があります。


次回は、資金別貸借対照表を用いて財務状態を分析します。


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